質問主意書

第205回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇五第四一号
  令和三年十月二十六日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員田島麻衣子君提出インターネット上の世論操作と民主主義に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員田島麻衣子君提出インターネット上の世論操作と民主主義に関する質問に対する答弁書

一及び三について

 お尋ねの「インターネット上で特定の議員・候補者・候補予定者(以下「者」という。)を事実に反して誹謗中傷したり、一定の期間「者」のホームページを閲覧できないようにしたり、また対価を提供して私人に対しインターネット上に特定の「者」を誹謗中傷する書き込みを依頼する行為」が、特定の権利を侵害するか否かについては、個々の事案を総合的に勘案して判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。なお、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号。以下「法」という。)第百四十二条の七において、選挙に関しインターネット等を利用する者は、公職の候補者に対して悪質な誹(ひ)謗(ぼう)中傷をする等表現の自由を濫用して選挙の公正を害することがないよう、インターネット等の適正な利用に努めなければならないこととされている。

 また、政党交付金の使途については、政党助成法(平成六年法律第五号)第四条第二項において、政党は、国民の信頼にもとることのないように、政党交付金を適切に使用しなければならない旨の責務が課されているものの、同条第一項において、国は、政党の政治活動の自由を尊重し、政党交付金の交付に当たっては、条件を付し、又はその使途について制限してはならないとされ、同法は、政党交付金の使途の報告を公表することにより、その使途の適否について国民の監視と批判の下に置くという仕組みを採っていることから、お尋ねの行為が同条第二項における政党交付金の適切な使用に当たるか否かについては、政府としてお答えすることは差し控えたい。

二について

 お尋ねの「マイクロターゲティング」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、インターネット上に掲載されている情報には様々なものがあることから、御指摘の思想及び良心の自由との関係について一概にお答えすることは困難である。

四について

 お尋ねの「動画製作行為」が、法第二百三十五条第一項及び第二項の虚偽事項の公表罪、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百三十条第一項の名誉毀損罪若しくは同法第二百三十一条の侮辱罪又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百九条の不法行為に該当するか否かについては、具体の事実に即して判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。

 また、お尋ねの行為が、特定の権利を侵害するか否かについては、個々の事案を総合的に勘案して判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。