質問主意書

第205回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二〇五第九号
  令和三年十月十五日
内閣総理大臣 岸田 文雄


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員浜田聡君提出「生理の貧困」と生活保護の関係に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出「生理の貧困」と生活保護の関係に関する質問に対する答弁書

一、三及び四について

 人事院においては、総務省の家計調査、全国家計構造調査及び全国単身世帯収支実態調査(以下「家計調査等」という。)に基づき、毎年四月時点の費目別及び世帯人員別の標準生計費を算定している。家計調査等において、お尋ねの「生理用品に関する支出」については、「保健医療」の費目に計上することとされており、「保健医療」の費目については、標準生計費の算定においては「雑費Ⅰ」の費目に分類している。

二について

 「なぜ・・・生活保護費を男女同額としているのか」とのお尋ねについては、昭和五十七年一月二十三日の中央社会福祉審議会の「生活扶助基準における男女差について(意見具申)」において、「(一)消費支出のうち、食料費については、男性の方が女性を上回っており、男女差は認められるものの、一般社会における消費生活の構造変化を反映して消費支出に占める食料費の割合は低下している。(二)食料費以外の経費については女性の支出の伸びが大きいが、これは近年の女性の社会的進出や生活実態の変化によるものと思われ、このうち、特に被服費、理容衛生費等では大幅に男性を上回っている実態が看取される。(三)これらの結果について総体的にみれば、男女の消費支出が接近する傾向が明確になっており、今後ともこの傾向が強まるものと推定される。」とされたことを踏まえ、生活扶助基準額の男女差について、同年から段階的な縮小を図り、昭和六十年以降、男女同額としているものである。また、生活扶助基準については、一般国民の消費水準との均衡を図る観点からその水準を調整することとしており、五年ごとに一般低所得世帯の消費実態との均衡について検証を行うこととしている。当該検証に当たって用いる一般低所得世帯の消費支出額については、生理用品も含めた保健用消耗品に係る支出額が含まれていることから、生活扶助基準は、当該支出額を踏まえた水準となっており、また、生活扶助基準は、当該支出額を含めた生活に要する費用の地域ごとの実態についての検証を踏まえて地域別に設定されていることから、政府としては、「生理用品に関する支出については、生活保護費に加算して支給すべき」及び「居住地差別につながる」とは考えておらず、現行の生活扶助基準については、憲法第十三条、第十四条第一項及び第二十五条第一項の規定の趣旨に反するものであるとは考えていない。