質問主意書

第205回国会(臨時会)

質問主意書

質問第二〇号

長野県の動物取扱業者が劣悪な環境で犬を飼育していた事案に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十月八日

塩村 あやか


       参議院議長 山東 昭子 殿



   長野県の動物取扱業者が劣悪な環境で犬を飼育していた事案に関する質問主意書

 長野県松本市の動物取扱業者が、飼育の届出では六百頭のところ、実際にはそれをはるかに超える約一千頭もの犬を劣悪な環境で飼育していたとして、長野県警が家宅捜索を行ったと報道されている。また、同取扱業者は無資格でかつ麻酔なしで犬を帝王切開した疑いもある。本件は同取扱業者の元従業員から獣医師の元に情報提供があり明らかになったが保健所の対応は遅く、指導を開始する前に同取扱業者の犬は別な団体により県外に移送されてしまった。これでは動物虐待を受けていた犬たちが今後どこに行ってしまうか全く不明であり再び劣悪な環境に戻ってしまうことも懸念される。

 そこで、動物の命と健康を守るため、以下質問する。

一 本件の経緯及び現在の犬たちの所在や状況について政府は何を把握しているか伺う。また、把握している場合、その内容を示すとともに、今後の対応策についても示されたい。

二 獣医師からの情報提供があったにもかかわらず、飼養管理基準に明らかに違反していた動物取扱業者に対する早期の行政による介入が行われなかった理由について明らかにされたい。

三 そもそも第一種動物取扱業者に対しては、飼養する動物の個体に関する情報等を帳簿に記録・保存し、登録している都道府県知事等に毎年報告することになっているが、今回の事案はこの報告内容についても虚偽があったのか伺う。

四 都道府県等の動物愛護管理担当職員は第一種動物取扱業者に対し、必要に応じて立入検査を行い、基準が守られていない場合等は都道府県知事等が改善勧告や命令を行うことができることとされているが、当該業者に対する立入検査の状況等を明らかにされたい。

五 政府は今回の事案を踏まえ、今後同様の事案が起こらないための再発防止策についてどのように考えて、何をするのか、それぞれ示されたい。

  右質問する。