質問主意書

第205回国会(臨時会)

質問主意書

質問第一七号

北海道胆振東部地震における山地災害からの復旧及び森林再生の加速化に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十月七日

紙 智子


       参議院議長 山東 昭子 殿



   北海道胆振東部地震における山地災害からの復旧及び森林再生の加速化に関する質問主意書

 北海道胆振東部地震の発生から三年が経過した。地震による山地災害やブラックアウトの被害によって、道内の農林水産業は、甚大な影響を受けた。地震による森林の大規模崩壊は、明治以降、最大規模となっている。森林被害の大きい厚真町、安平町、むかわ町では、地震による山腹崩壊、岩盤滑りなどは、約四千三百ヘクタールにも及び、森林資源はもとより、林業の生産基盤は大きな打撃を受け、森林の有する多面的機能も大きく低下している。森林の再生には、数十年かかるとの報道もある。森林所有者は、森林の再生、整備について、従来の枠組みではなく、特別な手立てを取り、スピード感を持って行うことを求めている。よって、森林の再生、整備の加速化が重要であるため、以下質問する。

一 森林所有者は、発災後三年が経過した今もなお、被災森林まで行くことができず、山崩れで倒れた木々は放置され、被害状況の把握や現状を確認できないでいる。この実態をどのように認識しているか。政府の見解如何。

二 山地災害からの復旧に当たり、緊急的に危険を取り除く必要のある場所については治山工事が概ね完成してきているが、被災した森林の整備や森林の再生に対する今後の方針を明らかにされたい。

三 森林所有者は、現状のままでは森林の再生の見通しが立たず、長期化することを懸念している。現状の制度や枠組みにとらわれず、特別の手立てを講じることによって森林の再生のスピードを加速化する必要がある。政府の見解如何。

  右質問する。