質問主意書

第205回国会(臨時会)

質問主意書

質問第七号

公職選挙法上禁止されている街頭演説に字幕を付することと聴覚障害をお持ちの方への配慮に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十月四日

浜田 聡


       参議院議長 山東 昭子 殿



   公職選挙法上禁止されている街頭演説に字幕を付することと聴覚障害をお持ちの方への配慮に関する質問主意書

 総務省は、政見放送及び経歴放送実施規程の一部を改正する告示案について、平成二十五年四月二十四日から同年五月二十三日までの間、国民から広く意見を募集したところ、聴覚障害をお持ちの方から「政見放送のみならず、選挙期間中の街頭演説、個人演説会等にも「要約筆記」及び「手話通訳」等の情報保障手段の配置が無条件で可能なように、必要な法改正を実施して下さい。私たちはこのようなニーズを持っています。」というご意見が寄せられたと承知している(平成二十五年六月十日付総務省ホームページ発表「政見放送及び経歴放送実施規程の一部を改正する告示案に対する意見募集の結果」の別紙における意見番号六。以下「字幕要望意見」という。)。

 今般のコロナ禍により、公職の候補者はマスクを着用して街頭演説を行うことが増えたことから、聴覚障害をお持ちの方は読唇術によって演説を「聞く」ことができず、街頭演説に対する字幕ニーズは増しているものと思われる。

 右を踏まえて、以下質問する。

一 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下「法」という。)第七条第一項の「事務又は事業」は、公職選挙法が適用される選挙に関する事務を含むか。

二 字幕要望意見は、法第七条第二項の「障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明」に該当するか。

三 法第七条第二項の「社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮」は、政令、省令の改正や政府による衆参両院への法案提出等の法制上の措置を含むか。

四 公職の候補者に対し、街頭演説を行うに際し音声認識ソフト等を用いて演説内容やその要約をスクリーン等に表示することは、法第七条第二項の「実施に伴う負担が過重」であるときに該当するか。

五 公職選挙法第百四十三条第一項第四号の二を追加する法改正の際、「演説会場内においてその演説会の開催中掲示する映写等の類」を屋内に限って掲示することができるとし、屋外においては掲示の禁止を維持することとしたことによって、公職の候補者が自ら聴覚障害をお持ちの方に対し字幕を提供する手段が著しく制限された状態が放置されたことに関し、政府の見解如何。障害者に対する差別解消の観点から述べられたい。

 なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。