質問主意書

第205回国会(臨時会)

質問主意書

質問第二号

北朝鮮による拉致被害者の認定に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十月四日

有田 芳生


       参議院議長 山東 昭子 殿



   北朝鮮による拉致被害者の認定に関する質問主意書

 北朝鮮が日本人拉致を認めてから十九年が過ぎました。警察庁などの捜査によって、拉致容疑事案は十三件十九人が明らかになっています。そのうち在日朝鮮人二人をのぞく十七人が政府によって拉致被害者として認定されています。一方で「北朝鮮に拉致された可能性を排除できない事案」とされる多くの行方不明者がいます。政府が拉致被害者を認定するときの基準について質問します。

一 これまで政府による拉致被害者の認定の基準について質問してきたとき、すべて「行方不明者届の受理等を通じて随時把握した行方不明者のうち、各種情報を総合的に勘案して北朝鮮による拉致の可能性を排除できないと判断したものについて、「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者」として、捜査・調査を進めてきている」旨(以下「総合的判断」とする。)を説明されています。結論としては理解できるのですが、もう少し丁寧に教えていただきたいのは、「拉致された可能性を排除できない事案」として大阪で行方不明となった御子息を探してご苦労されている四国在住の母親からの質問でもあるからです。まずお聞きしたいのは「総合的判断」の要素です。最低限どのような、いくつの条件が拉致被害者の認定の基準になるのでしょうか。具体的にお示しください。

二 行方不明者が北朝鮮によって拉致されたかどうかの核心は、噂話や曖昧な「告白」ではなく北朝鮮工作員の関与が明確にあるかどうかだと思います。政府の「総合的判断」の諸要素において、行方不明になった経緯に北朝鮮工作員が関与していることが決定的な要素だと認識していますか。

三 脱北者が持ち出したとされる写真の鑑定で「行方不明者本人である可能性が高い」とされても、ただちに拉致の証拠とならないのはなぜですか。あるいは写真鑑定の結果が「総合的判断」の一要素だとしても、それが決定的な証拠にならないのはなぜですか。政府の見解を丁寧にお示しください。

  右質問する。