質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第一二七号
  令和三年六月二十九日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出ケアリーバーの支援の拡充に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出ケアリーバーの支援の拡充に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「措置延長制度の利用割合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第三十一条の規定による児童養護施設等への入所措置や里親委託等(以下「入所措置等」という。)の二十歳未満までの延長(以下「措置延長」という。)について、令和元年度末に高等学校等を卒業した児童養護施設に入所していた児童のうち、令和二年五月一日時点において措置延長を活用して引き続き児童養護施設に在所する者の割合は、二十・三パーセントである。

二及び三について

 政府としては、入所措置等がなされている児童について、入所措置等の解除前から自立に向けた支援を実施することが重要であると考えており、このため、都道府県等が実施する「社会的養護自立支援事業」において、入所措置等がなされている段階から、地域生活を始める上で必要な知識、社会常識等を学び、生活技能等を習得するための支援や、児童が抱える自立生活への不安や悩み、進路や求職活動等に関する問題等に関する相談支援等を実施しているところであり、引き続き、当該事業が着実に実施されるよう、必要な支援をしてまいりたい。

四について

 令和二年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「児童養護施設等への入所措置や里親委託等が解除された者の実態把握に関する全国調査」(以下「全国調査」という。)において、入所措置等が解除された者(以下「措置解除者等」という。)に対する継続的な支援の必要性が改めて明らかとなったと認識しており、全国調査の結果を踏まえ、措置解除者等の個々の状況に応じた必要な自立支援の推進に取り組むこととしているところ、当該取組の効果を検証しつつ、引き続き、措置解除者等の実態の把握に努めてまいりたい。

五について

 御指摘の「支援コーディネーター」を「必置すべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「支援コーディネーター」については、都道府県等が実施する「社会的養護自立支援事業」において、入所措置等の解除後の生活等を考慮した継続支援計画を作成し、当該計画に基づく支援全体を統括するために配置されるものであり、必ずしも全ての児童相談所において配置しなければならないものではないが、引き続き、当該事業が着実に実施されるよう、必要な支援をしてまいりたい。

六について

 全国調査において、「自立支援の観点からは、措置解除という一定年齢で支援を終結するのではなく、より長期的に見守り、必要に応じて支援を行う仕組みを構築することが必要」とされているところ、都道府県等が実施する「社会的養護自立支援事業」においては、里親委託が解除された者についても、児童養護施設等への入所措置が解除された者と同様の支援を実施することとしているところであり、引き続き、当該事業等を通じた措置解除者等の自立支援の推進に努めてまいりたい。

七について

 御指摘の「「社会的養護の終了後も、長期間社会的養護の経験者と定期的に関わる仕組みを自治体が作ることが必要」との有識者の提言」については承知していないが、政府としても、措置解除者等への継続的な支援について、必要な対応を検討してまいりたい。