質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第一二四号
  令和三年六月二十九日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員田島麻衣子君提出新型コロナウイルスのワクチン接種時の事故報告に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員田島麻衣子君提出新型コロナウイルスのワクチン接種時の事故報告に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「新型コロナウイルスワクチン接種時の事故」については、「「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について」(令和三年六月四日付け健発〇六〇四第四号厚生労働省健康局長通知)の別添「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(三・一版)」において、「市町村長は、・・・万が一、誤った用法用量で新型コロナワクチンを接種した場合や、有効期限の切れた新型コロナワクチンを接種した場合、血液感染を起こしうる場合等の重大な健康被害につながるおそれのある間違いを把握した場合等には、様式四―七―二にその内容を記載し、都道府県を経由して、厚生労働省健康局健康課に速やかに報告すること。一方、接種間隔の誤りなど、直ちに重大な健康被害につながる可能性が低い間違いについては、都道府県において、様式四―七―三により、前月に発生した間違いについて、毎月とりまとめを行い、十五日までに同様に報告を行うこと」としているところ、この「重大な健康被害につながるおそれのある間違い」として報告された件数は令和三年六月十六日時点で七十件、「直ちに重大な健康被害につながる可能性が低い間違い」として報告された件数は同月十五日時点で六十九件である。

二について

 一についてでお答えした「重大な健康被害につながるおそれのある間違い」及び「直ちに重大な健康被害につながる可能性が低い間違い」として報告された件数のうち、お尋ねの「(1)三回目のワクチン接種をした事故」から「(7)同じ人に一日で二回接種した事故」までについては、次のとおりである。

 (1)三回目のワクチン接種をした事故 六件

 (2)適切な間隔を開けずに二回目の接種をした事故 三十三件

 (3)空の注射器を刺した事故 十一件

 (4)生理食塩水をそのまま注射した事故 八件

 (5)誤った濃度の注射液を注射した事故 八件

 (6)既に他の対象者に使用した針を刺した事故 二十三件

 (7)同じ人に一日で二回接種した事故 四件

 また、お尋ねの「(8)冷蔵庫内の温度が上昇した、常温で放置してしまった等によりワクチンを廃棄することになった事故」については、政府として網羅的に把握しておらず、お答えすることは困難である。

三について

 御指摘の「他の予防接種と比べて事故件数の多少に違いがある」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、御指摘の「新型コロナウイルスワクチン接種」と「他の予防接種」とでは対象者数、接種体制、接種開始からの日数等が異なることから、これらに係る「事故件数」について、一概に比較することは困難である。

四について

 お尋ねについては、令和三年六月十日の参議院厚生労働委員会において、正林厚生労働省健康局長が「厚生労働省としては、報告のあった主な事例について改めて、これは五月七日でありますけれど、それらに対する留意点とともに事務連絡により周知するとともに、自治体説明会において間違い接種の事例とそれに対する対応方法などをお示ししているところでございます。引き続き国民の皆様に安心してワクチンを接種していただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。」と答弁したとおりである。