質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第一〇一号
  令和三年六月二十五日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出行政委嘱委員の担い手不足に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出行政委嘱委員の担い手不足に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「行政委嘱委員」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、民生委員については、民生委員法(昭和二十三年法律第百九十八号)第一条において「民生委員は、社会奉仕の精神をもつて、常に住民の立場に立つて相談に応じ、及び必要な援助を行い、もつて社会福祉の増進に努めるもの」とされており、関係行政機関と連携して住民の福祉の増進を図るために重要な役割を果たしていると認識している。また、スポーツ推進委員については、スポーツ基本法(平成二十三年法律第七十八号)第三十二条第二項において「当該市町村におけるスポーツの推進のため、教育委員会規則(特定地方公共団体にあっては、地方公共団体の規則)の定めるところにより、スポーツの推進のための事業の実施に係る連絡調整並びに住民に対するスポーツの実技の指導その他スポーツに関する指導及び助言を行うもの」とされており、地域におけるスポーツの推進のために重要な役割を果たしていると認識している。

二について

 お尋ねの「政府が把握している実情」及び「政府の認識」については、「行政委嘱委員」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、令和元年度において、民生委員の委嘱者数が定数に占める割合は九十五・七パーセントとなっており、また、平成三十年度において、スポーツ推進委員の委嘱者数が定数に占める割合は九十・二パーセントとなっていることから、担い手の確保が必要であると認識している。町内会等については、一般的に、都市部においては地方部と比較して加入率が低い一方で、地方部においては人口減少や高齢化により共助の担い手が減少しつつあることから、都市部と地方部のいずれにおいても継続的に活動を行うための基盤強化が課題であると認識している。

三について

 お尋ねの「行政委嘱委員」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、民生委員及びスポーツ推進委員が果たしている役割について、地域の住民や関係機関・団体に理解を深めていただくことが重要であると考えており、制度の広報活動の推進や地方公共団体が行う広報活動の促進に取り組んでいるところである。

四及び五について

 お尋ねの「行政委嘱委員」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「地域の公益活動」の「担い手」の確保に関するお尋ねについては、地域の課題や地域活動の担い手の確保の状況に応じて、多様な層の住民が地域活動に参画することができるよう、市町村が積極的に取組を進めていくことが重要であると認識している。なお、民生委員については、民生委員法第五条第二項の規定に基づき市町村に設置された民生委員推薦会が推薦した者について、同条第一項の規定に基づき、都道府県知事の推薦によって、厚生労働大臣が委嘱することとされており、また、スポーツ推進委員については、スポーツ基本法第三十二条第一項の規定に基づき市町村の教育委員会(特定地方公共団体にあっては、その長)が委嘱することとされているところ、委嘱の要件については、市町村において、地域の実情に応じて適切に判断されるものと認識している。