質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第九五号
  令和三年六月二十二日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出栄典制度の受章基準に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出栄典制度の受章基準に関する質問に対する答弁書

一の1について

 お尋ねについては、例えば、直近五回の春秋叙勲の各回における①男性受章者数の受章者全体に占める割合及び②女性受章者数の受章者全体に占める割合並びに直近五回の春秋褒章の各回における③男性受章者数の受章者全体に占める割合及び④女性受章者数の受章者全体に占める割合をお示しすると、それぞれ次のとおりである。

 令和三年春 ①約八十九・七パーセント ②約十・三パーセント ③約七十二・八パーセント ④約二十七・二パーセント

 令和二年秋 ①約九十・〇パーセント ②約十・〇パーセント ③約七十九・五パーセント ④約二十・五パーセント

 令和二年春 ①約九十・一パーセント ②約九・九パーセント ③約七十一・二パーセント ④約二十八・八パーセント

 令和元年秋 ①約九十・〇パーセント ②約十・〇パーセント ③約八十・五パーセント ④約十九・五パーセント

 令和元年春 ①約九十・五パーセント ②約九・五パーセント ③約七十・九パーセント ④約二十九・一パーセント

一の2について

 お尋ねについては、例えば、直近五回の春秋叙勲の各回の受章者について、その功労の内容により、①公務部門、②公選職の部門及び③民間部門に区分した場合における各区分の受章者数の受章者全体に占める割合をお示しすると、それぞれ次のとおりである。

 令和三年春 ①約四十四・七パーセント ②約九・二パーセント ③約四十六・一パーセント

 令和二年秋 ①約四十三・六パーセント ②約九・六パーセント ③約四十六・八パーセント

 令和二年春 ①約四十三・六パーセント ②約九・九パーセント ③約四十六・五パーセント

 令和元年秋 ①約四十三・一パーセント ②約九・一パーセント ③約四十七・八パーセント

 令和元年春 ①約四十四・五パーセント ②約八・六パーセント ③約四十六・九パーセント

一の3について

 お尋ねの「町内会役員や行政委嘱委員等の自治功労者」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、直近五回の春秋叙勲及び春秋褒章の各回における①地方自治功労により勲章を授与された人数、②自治会、町内会等の地縁に基づいて形成された団体において功績を挙げたとして勲章を授与された人数及び③民生・児童委員として勲章又は褒章を授与された人数をお示しすると、それぞれ次のとおりである。

 令和三年春 ①六百十一名 ②五十七名 ③勲章四十二名、褒章三十二名

 令和二年秋 ①六百八名 ②五十五名 ③勲章四十一名、褒章三十九名

 令和二年春 ①六百三十四名 ②五十三名 ③勲章五十一名、褒章二十七名

 令和元年秋 ①五百九十三名 ②五十三名 ③勲章四十名、褒章三十七名

 令和元年春 ①五百七十八名 ②五十五名 ③勲章三十六名、褒章二十七名

一の4について

 お尋ねについては、例えば、直近五回の春秋叙勲の各回の受章者について、その推薦手続の内容により、①一般推薦から受章に至った受章者数の受章者全体に占める割合及び②①以外により受章に至った受章者数の受章者全体に占める割合をお示しすると、それぞれ次のとおりである。

 令和三年春 ①約〇・一パーセント ②約九十九・九パーセント

 令和二年秋 ①約〇・一パーセント ②約九十九・九パーセント

 令和二年春 ①約〇・一パーセント ②約九十九・九パーセント

 令和元年秋 ①約〇・二パーセント ②約九十九・八パーセント

 令和元年春 ①約〇・二パーセント ②約九十九・八パーセント

二について

 政府においては、「栄典制度の改革について」(平成十四年八月七日閣議決定。以下「制度改革」という。)や「栄典授与の中期重点方針」(平成二十八年九月十六日閣議了解。以下「中期重点」という。)に基づき、受章者が公務部門の功労者に偏ることなく適正なバランスとなるよう、また、性別にかかわらず国家又は公共に対する功労が等しく評価されるよう努めてきたところであり、今後とも一層適切な運用に努めてまいりたい。

三について

 栄典制度の安定した運用のためには、栄典制度の意義や、春秋叙勲等の栄典授与の状況等を国民に伝えることが重要であると考えており、内閣府のホームページ等により周知・広報を行っているところである。

四及び五について

 政府においては、制度改革に基づき、人目に付きにくい分野における受章者数の受章者全体に占める割合を、平成十五年秋の叙勲の約三十一・六パーセントから令和三年春の叙勲の約三十三・三パーセントに増加する等、人目に付きにくい分野における受章者の増加に努めたところである。また、中期重点に基づき、「自治会、町内会等の地縁に基づいて形成された団体において功績を挙げた者」、「公益法人等の公益的な活動を行う民間団体において功績を挙げた者」、「保育士、介護職員等の少子高齢社会を支える業務において長年にわたり功績を挙げた者」等について、栄典授与において重視する分野として受章比率の増加に努め、「自治会、町内会等の地縁に基づいて形成された団体において功績を挙げた者」の直近令和三年春の叙勲の受章者数は、中期重点取組前の平成二十八年秋の叙勲の受章者数である二十四名から五十七名に、「公益法人等の公益的な活動を行う民間団体において功績を挙げた者」の直近令和三年春の叙勲の受章者数は、中期重点取組前の平成二十八年秋の叙勲の受章者数である二十一名から三十四名に、「保育士、介護職員等の少子高齢社会を支える業務において長年にわたり功績を挙げた者」の直近令和三年春の叙勲の受章者数は、中期重点取組前の平成二十八年秋の叙勲の受章者数である五十一名から六十六名にそれぞれ増加している。

 今後とも、栄典を授与すべき分野や功績を適切に見直し、社会の様々な分野から国家・公共に対する功労のある者を積極的に選考し、顕彰していく考えである。

六について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、お尋ねにある春秋叙勲において授与する勲章の受章者の選考に関しては、「春秋叙勲候補者推薦要綱」(平成十五年五月十六日内閣総理大臣決定)において、「人目に付きにくい分野にあって多年にわたり業務に精励した者」等については、五十五歳以上の者も対象とされているところであって、七十歳以上の者のみが対象とされているわけではない。