質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書

内閣参質二〇四第九四号
  令和三年六月二十二日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出「名ばかり管理職」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出「名ばかり管理職」に関する質問に対する答弁書

一及び三について

 お尋ねについては、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第四十一条第二号に規定する監督又は管理の地位にある者(以下「管理監督者」という。)の各事業場における取扱いの状況を網羅的に把握することは困難であるため、一概にお答えすることは困難であるが、労働基準監督機関においては、事業場に対し監督指導を実施した際に、実態として管理監督者に該当しない労働者について同法第三十七条第一項に規定する割増賃金の不払が認められた場合には、使用者に対して、割増賃金の支払とともに、当該事業場における管理監督者の取扱いの見直しを指導しており、今後とも、事業場に対する監督指導を通じ、労働基準関係法令の遵守徹底に努めてまいりたい。

二について

 お尋ねについては、管理監督者の適正な取扱いについて、事業場に対する周知等を行っていくことが重要であると考えており、御指摘の「管理監督者に該当しないことを理由として労働基準監督署から指導を行った件数」について「統計をと」ることは、現時点では考えていない。

四について

 お尋ねの「この問題についての解決」の意味するところが必ずしも明らかではないが、労働者と使用者との間の紛争を防止する観点からは、労使の双方において労働基準法の内容を十分に理解することが重要であると考えており、管理監督者の適正な取扱いについても、事業場に対する監督指導、集団指導等においてその周知を図っているところである。

五について

 使用者は、労働基準法第八十九条の規定に基づき、管理監督者を含めた労働者の賃金の決定、計算及び支払の方法に関する事項について就業規則を作成しなければならず、また、同法第百六条第一項の規定に基づき、就業規則を労働者に周知させなければならないこととされており、御指摘の内容については、これらの規定により使用者から管理監督者に周知されるものと考えられる。なお、労働基準監督機関においては、管理監督者の適正な取扱いについて、事業場に対する監督指導、集団指導等を通じて、使用者に対して必要な指導を行っているところである。

六について

 お尋ねの「就業規則に適切な規定がなされていない場合」の具体的に意味するところが明らかではないため、一概にお答えすることは困難であるが、一般論として、管理監督者に該当するか否かは、実態に即して判断されるものである。

七について

 お尋ねの「管理監督者の就労時間」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府として、管理監督者の労働時間については把握しておらず、その傾向についてお答えすることは困難である。