質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第八六号
  令和三年六月十八日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員木戸口英司君提出国庫補助金等により設置造成された基金の執行状況等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員木戸口英司君提出国庫補助金等により設置造成された基金の執行状況等に関する質問に対する答弁書

一について

 基金事業については、その透明性を確保する等の観点から、「行政事業レビューの実施等について」(平成二十五年四月五日閣議決定)に基づき、平成二十五年度以降、各府省庁において基金シート等を作成、公表することとし、さらに、平成二十六年十月、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令(昭和三十年政令第二百五十五号)を改正し、基金事業の性質の明確化等を行った。

 これらの取組を通じて、平成二十六年度当初予算までとは異なり、同年度補正予算以降の各予算については基金事業の基本的事項等に関する統一的かつ網羅的な確認が可能となったところ、当該各予算において新たに設置した基金のうち、当該基金に係る初回の基金シート等において終了予定時期を記載している又は記載することを予定しているものについて、所管府省庁ごとにその名称をお示しすると、次のとおりである。

 内閣府 地方創生拠点整備交付金基金 革新的研究開発推進基金 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金基金

 復興庁 福島原子力災害復興交付金基金 中間貯蔵施設整備等影響緩和交付金基金 帰還・移住等環境整備交付金基金 福島相双復興官民合同チーム相談支援基金 事業再開・帰還促進基金 自立・帰還支援雇用創出企業立地補助事業基金 被災農業者支援基金

 総務省 デジタル基盤改革支援基金 革新的情報通信技術研究開発推進基金

 文部科学省 創発的研究推進基金 ホストタウン等新型コロナウイルス感染症対策基金

 厚生労働省 ワクチン生産体制等緊急整備基金

 農林水産省 資源管理・漁業革新推進基金 中堅外食事業者資金融通円滑化基金

 経済産業省 福島県原子力災害等復興基金 中小小売・流通等合理化促進基金 南海トラフ巨大地震亜炭鉱跡防災対策事業基金 新型コロナウイルス感染症基金 国内投資促進基金 南海トラフ巨大地震に備えた亜炭鉱跡対策事業基金 中小企業等事業再構築促進基金

 また、当該各予算において新たに設置した基金のうち、当該基金に係る初回の基金シート等において終了予定時期を記載していない又は記載することを予定していないものについて、所管府省庁ごとにその名称をお示しすると、次のとおりである。

 文部科学省 学資支給基金 革新的研究開発推進基金

 厚生労働省 国民健康保険財政安定化基金 医療情報化支援基金 ハンセン病元患者家族補償金支払基金 旧優生保護法一時金支払基金

 農林水産省 産地パワーアップ事業基金 畜産・酪農収益力強化総合対策基金 担い手経営発展支援基金 合板・製材生産性強化基金 水産業競争力強化基金 農業経営収入保険特約補?資金 革新的研究開発推進基金 鶏卵生産者経営安定対策基金

 経済産業省 ムーンショット型研究開発基金 ポスト五G情報通信システム基盤強化研究開発基金 グリーンイノベーション基金

 これらの基金については、あらかじめ事業の終了時期を見通し難いことや基金に関連する法令上の制度等に終了時期が設定されていないこと等により、基金に係る終了予定時期を設定することが困難であるため、終了予定時期を記載していない又は記載することを予定していないところである。

二について

 お尋ねの「国庫返納額の適正な規模」の意味するところが必ずしも明らかではないが、各府省庁及び補助金等の交付により造成した基金等を保有する法人は、「補助金等の交付により造成した基金等に関する基準」(平成十八年八月十五日閣議決定)に基づき、各基金の規模等について定期的な見直しを行い、余剰資金の国庫返納を適切に行っているところである。

三について

 御指摘の「従来基金事業として実施していた事業を補助金等による事業に切り替えた事業」にどのような事業が該当するかについては、各事業の目的、内容、運用の実態等により様々な評価が可能であるため、お答えすることが困難である。また、御指摘の「毎年度補助金等を積み増して実施する基金事業を、毎年度の補助金等の交付によって実施すること」の適否については、各事業の性質に応じて判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。

 いずれにせよ、基金事業については、毎年度、行政事業レビューの枠組み等の中で、基金シート等を通じた点検を行い、各事業を基金方式により実施することの必要性について、個々の事業の性質に応じて適切に判断することとしている。