質問主意書

第204回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇四第二七号
  令和三年三月十二日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出給与の電子マネー支払い(ペイロール払い)解禁に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出給与の電子マネー支払い(ペイロール払い)解禁に関する質問に対する答弁書

一、三及び五から七までについて

 御指摘の「ペイロール払い」及び「給与の電子マネー支払い」については、「成長戦略フォローアップ」(令和二年七月十七日閣議決定)において、「賃金の資金移動業者の口座への支払について、賃金の確実な支払等の労働者保護が図られるよう、資金移動業者が破綻した場合に十分な額が早期に労働者に支払われる保証制度等のスキームを構築しつつ、労使団体と協議の上、二千二十年度できるだけ早期の制度化を図る」とされており、現在、労働政策審議会において、労働者保護の観点から、銀行口座への賃金支払に係る制度も踏まえつつ、当該スキーム及び御指摘の「換金性」、「労働者の同意」、「監督」等を含む資金移動業者の口座への賃金支払に係る制度の在り方について議論しているところであり、現時点において、お尋ねの「実施までのスケジュールの見込みと段取り」、「方針」及び「政府の見解」についてお答えすることは困難である。

二について

 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第二十四条第一項においては、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と規定されており、また、同条第二項においては、「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」と規定されている。これらの規定は、労働の対価が完全かつ確実に労働者本人の手に渡るよう、賃金の支払方法に係る原則を示したものであり、当該原則自体を見直すことは考えていない。

四について

 御指摘の「ペイロール払い」に関するマネー・ローンダリングの危険性については、時々変化する国際情勢や、これに呼応して進化する他の金融機関等の対応に強く影響を受けるものであることから、お尋ねの「ペイロール払いにどのような課題があると認識しているか」について、一概にお答えすることは困難であるが、金融庁作成の「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」においては、資金移動業者についても、他の金融機関等と同様に、「リスクに見合った低減措置を講ずること」を求めているところである。