質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第一二八号

重要土地等調査規制法案に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年六月十六日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   重要土地等調査規制法案に関する質問主意書

 「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案」、いわゆる「重要土地等調査規制法案」が今国会に提出された。

 本法案では、内閣総理大臣は、閣議決定した基本方針に基づき、重要施設の敷地の周囲おおむね一千メートルや国境離島等の区域内に「注視区域」や「特別注視区域」を指定することができ、そして、その区域内にある土地及び建物(以下「土地等」という。)の利用に関し、調査や規制をすることができると承知している。

 本法案について、以下のとおり質問する。

一 本法案では、地方公共団体の長等に対し、注視区域内の土地等の利用者等に関する情報の提供を求めることができるとされているが、その範囲も政令に委ねられている。

1 この情報提供により、注視区域内の土地等の利用者等の思想・良心や表現行為に関わる情報も含めて政府が取得することを容認するのか。

2 思想・良心の自由、表現の自由、プライバシー権などを侵害しないための歯止めとしてはどのような方策を想定しているのか。

二 本法案に基づく調査によって収集された個人情報は、どの組織によってどのように管理されるのか。

 また、収集の対象とされた者は、プライバシー権の重要な要素の一つとされている自己情報コントロール権に基づき、自らの個人情報の内容を確認したり訂正したりできるのか。そして、収集された個人情報は、法が想定した用途を終了した場合(目的を果たした後)、データ削除等の措置がとられるのか。

三 本法案の法文のうち、次の事項についての定義を具体的に示されたい。

1 第一条の「重要施設」、「機能を阻害する行為」

2 第三条の「必要な最小限度」

3 第四条第二項第二号の「経済的社会的観点から留意すべき事項」

4 第十条第一項の「通常生ずべき損失」

四 注視区域や特別注視区域に指定されることで、地価が下落する可能性はないか。仮に下落した場合、所有者等に対する補償を行うことを想定しているか。

  右質問する。