第204回国会(常会)
質問第六二号 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和三年四月十六日 田島 麻衣子
参議院議長 山東 昭子 殿 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に関する質問主意書 政府は本年四月十三日、東京電力福島第一原発の処理水を海洋放出する処分方針を決定した。この政治判断について、以下質問する。 一 二〇一六年の国の試算では、東京電力福島第一原発事故の処理費用は、二十一・五兆円と試算され、二〇一三年の時点より約二倍に増えた。この試算には海洋放出の設備費用等は含まれていない。 今回の処理水の海洋放出の処分方針の決定をふまえ、現時点では東京電力福島第一原発事故の処理費用は、いくらと試算しているか。海洋放出の設備費用等も含めた最新の処理費用額をお答えいただきたい。 二 復興庁は本年四月十三日、東京電力福島第一原発の処理水に含まれる放射性物質トリチウムの安全性をPRするために、トリチウムをキャラクターとしてデザインしたチラシを作成した。このキャラクターのデザイン料はいくらか。 また、チラシや動画の作成費用については、本年四月十四日の参議院資源エネルギーに関する調査会で、政府は、「不開示情報のため詳細な金額は申し上げられませんが、今申し上げた金額の内数として大体数百万円程度でございます」と答弁しているが、数百万円とはいくらか。また、不開示情報とする根拠は何か。 三 復興庁の担当者はトリチウムをキャラクターとして表現した理由を「「善」でも「悪」でもない中間的な感じを目指した」と説明しているが、この説明の「善」とは何を示すか。また、「悪」とは何を示すか。 四 前記三の復興庁の担当者の説明中、「中間的な感じ」とは、具体的に何を意味するのか。 五 麻生太郎財務大臣は本年四月十三日の閣議後記者会見で、処理水について「飲んでも何てことはないそうだ」と述べられているが、処理水を体内に飲用水として取り込むことの安全性に関する政府の公式見解を示されたい。 右質問する。 |