質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第五九号

車道に立ち止まって街頭演説することと道路交通法との関係に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年四月十三日

浜田 聡


       参議院議長 山東 昭子 殿



   車道に立ち止まって街頭演説することと道路交通法との関係に関する質問主意書

 歩道等(道路交通法第十条第一項にいう「歩道等」をいう。以下同じ。)と車道の区別のある道路において、車道に立ち止まって街頭演説を行うことは道路交通安全上危険であると危惧される。一方、表現の自由や政治活動の自由は、民主主義における最も重要な国民の権利であり、その制限は合理的かつ最小限にすべきである。例えば、所轄警察署長の許可を得ないで、歩車道の区別のない幅員一一・三メートルの道路でビラ配りを行う街宣活動は、道路交通法第七十七条第一項第四号に規定される「一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為」ではないことは、東京高裁昭和四十一年二月二十八日判決からして明らかである。

 右を踏まえて、以下質問する。

一 一般に、歩道等と車道の区別のある道路において、歩行者が車道に立ち止まることは、道路交通法第七十六条第四項第二号「道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること」に該当するか。

二 一般に、歩道等と車道の区別のある道路において、歩行者が車道に立ち止まって街頭演説をすることは、道路交通法第七十六条第四項第二号「道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること」に該当するか。

三 道路交通法第五十四条第二項によれば、車両等の運転者は、「法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない」義務が課されている。

1 一般に、車両等の運転者は、歩道等と車道の区別のある道路において、車道に立ち止まって街頭演説している者に、道路交通法第五十四条第二項の規定にかかわらず、応援目的で警音器を鳴らすことができるか。

2 一般に、歩行者は、道路交通法第五十四条第一項各号の車道等の運転者が警音器を鳴らさなければならない場合には明らかに該当しないときに車道等の運転者が警音器を鳴らした場合は、車道等の運転者が道路交通法第五十四条第二項ただし書きによって、危険を防止するために警音器を鳴らしているものと認識すべきことは社会通念上相当であると思うが、政府の見解如何。

 なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。

  右質問する。