質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第一七号

病児保育のアクセスの改善に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年二月十六日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   病児保育のアクセスの改善に関する質問主意書

 病児保育はサービスを受ける際のアクセスも良いとはいえず、そのため、子育て中の女性は、子どもが体調を崩したり、病気になったりしたときのことを考え、責任の伴う正規雇用やキャリアの高い職に就くことが困難となっている現状がある。
 以上を踏まえて、以下のとおり質問する。

一 保育所で子どもが体調を崩した場合に、保護者が迎えに行くことができないケースがある。このようなケースについて、埼玉県戸田市では、病院内の病児保育室の看護師や保育士が、保育所に迎えに行き、病院で受診後、同室で預かる事業を開始し、迎えのタクシー代や受診料の一部を県や市が補助する制度を実施している。病児保育へのアクセスの改善という意味で有益な取組と考えるが、政府の見解は如何か。

二 「病児保育の充実に関する質問主意書」(第百九十回国会質問第九四号)に対する答弁(内閣参質一九〇第九四号)において、前記一に関する私の問題提起に対し、「搬送に要する費用の「利用者負担」の在り方、搬送を行う者を「看護師に限定する」か否か及び「医療搬送の経験のある福祉タクシー」を含めた搬送手段の在り方を含めて、体調不良児の搬送が適切になされるよう今後とも検討してまいりたい。」と答弁している。
 この課題について、当該答弁提出後に政府でどのような検討が行われ、どのように施策に反映されたか、明らかにされたい。

三 通常、病児保育の利用にあたっては、①病児保育施設の事前登録を行い、②子どもが病気になったら施設の空き状況を確認の上、③予約を取り、④医師の診察を受けた後、⑤病児保育施設に連れて行き、保育を一日受け、⑥なおかつ保育終了後に子どもを迎えに行くという過程が必要となる。また、病児保育施設の予約後に子どもの病状が改善した場合には、③と④の間に医師の診察を受ける前に施設の予約をキャンセルしないといけないこともある。しかも、これらの連絡や手続は、ほぼ電話であり、対応時間も限られている場合が多い。
 この病児保育利用のアクセスの困難さを解消する方策として、地方自治体ではいわゆるスマホアプリを使って、特に②病児保育施設の空き状況の確認や③予約について手続を簡素化し、利用者の利便性を向上させているケースがある。
 厚生労働省は、このような動きを推進するとともに、アクセスを改善するシステムを全国の地方自治体がバラバラに開発するような無駄を避けるよう、リーダーシップを発揮すべきと考えるが、政府の見解は如何か。

  右質問する。