質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第一六号

病児保育の質の向上に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年二月十六日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   病児保育の質の向上に関する質問主意書

 ある地方自治体が子どもを持つ夫婦を対象に行った調査では、子育て中の不安は「子どもが病気のとき」に感じるとの回答が多く、子育て支援事業への要望として、「病児・病後児保育」の充実を求める声が最も多かった。病児保育の充実にあたっては、量の拡充のみならず、質の向上も図らなければ、病児の保護者の不安を解消することはできない。
 以上を踏まえて、以下のとおり質問する。

一 病児保育を利用する病児のほとんどが上気道炎症などの炎症であるとされ、病児保育を利用すると新たな感染症にかかることを懸念する声がある。特定の病児保育施設で二年間にわたって行われた調査では、利用者二千八百十七名のうち約六%が、病児保育施設利用後一週間以内に新たな症状を発症し、施設内感染が否定できないものであったと分析されている。厚生労働省は、このような指摘に関し、どのように現状を認識し、今後どのような対応をとる方針か示されたい。

二 病児保育は、保育の知識と看護の知識に基づいて、臨機応変に対応することが求められる極めて専門性の高い業務である。病児保育の充実のためには、この病児保育の担い手の人材育成を行い、担い手を増加させることが必要と考えるが、政府の見解は如何か。

三 病児保育の構造的な課題を解決する方策として、私は以前より「病院と病児保育施設の近隣設立」の推進を訴えてきた。
 大分県杵築市にある病児保育施設の例で、同じ敷地内に市民病院があり、医師や看護師が派遣されるほか、近隣の子ども園からフレキシブルに保育士を増減させる等の運用を行い、黒字経営を維持している事例がある。このような隣接設立は病児保育の質の向上にもつながると思われる。政府はこのような事例を積極的に推奨すべきではないか。

  右質問する。