質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第一五号

病児保育の経営改善に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年二月十六日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   病児保育の経営改善に関する質問主意書

 病児保育はニーズの高い保育サービスの一つである。厚生労働省ホームページの「各自治体の多様な保育(延長保育、病児保育、一時預かり、夜間保育)及び障害児保育の実施状況について」によると、最新の病児保育事業実施数(平成三十年度確定ベース)は三千百三十か所であり、前年の二千八百八十六か所(平成二十九年度確定ベース)から二百四十四か所増加している。以前と比較すると、サービスの質・量ともに改善の傾向にあるとはいえ、保育所等数三万四千七百六十三か所(平成三十年四月一日時点)に対して病児保育施設数は約九・〇%であり、まだまだ十分とはいえない状況である。
 以上を踏まえて、以下のとおり質問する。

一 新型コロナウイルス感染症の影響で、病児保育の利用者が減り、委託料が減少している事例が報告されている。保護者が在宅勤務で子を預ける必要がなくなることが主な原因とされている。このようなコロナ禍による病児保育事業の運営難について、政府はどのように現状を認識し、どのような対応を検討しているか、明らかにされたい。

二 病気を抱えた子どものケアについては、通常よりも多くのスタッフが必要となることもある。また、病児保育はどんな利用状況にも対応できるように、月々の利用者数の変動にかかわらず、常に十分な人員を配置する必要があり、人件費が経営を圧迫する構造的な問題がある。
 このような構造的な問題に対処するには、病児保育事業者に対する公的な支援を拡充し、ある程度柔軟な経営を認めることが必要ではないかと考えるが、政府の見解は如何か。

三 五歳未満人口一万人当たりの病児保育施設数の全国平均は四・九であるのに対し、北海道(二・二)、埼玉県(二・三)、愛知県(二・三)等では少なく、特に政令指定都市を持つ都道府県が少ない傾向にある。
 病児保育は基本的に市町村単位で提供されるものではあるが、変動のある需要に対応しつつ安定的な経営を図るために、保護者が居住する市町村以外の周辺自治体の病児施設を利用できるようにする試みが有効であると考える。
 現に山梨県は「「県内どこでも利用できる」を目指した病児・病後児保育体制の構築」を行っており、積極的に横展開すべき好事例と考えるが、連携状況及び今後の目標について明らかにされたい。

  右質問する。