質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第六号

大学における成績評価及び卒業認定に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年一月二十二日

平山 佐知子


       参議院議長 山東 昭子 殿



   大学における成績評価及び卒業認定に関する質問主意書

 グローバル化する知識基盤社会において、学士レベルの資質能力を備える人材養成は重要な課題となっている。他方、大学全入時代を迎え、目先の学生確保が優先される傾向がある中、大学や学位の水準が曖昧になったり、学位の国際的通用性が失われたりしてはならない。
 最近では、主に欧米の大学で広く採用されているGPA制を導入する大学が増えている。学生の学修状況を数値的に把握することにより、履修指導が可能となるほか、各教員間、各授業間で成績評価基準の平準化が進むと期待されている。しかし、日本では、依然として成績評価が大学教員の裁量に委ねられているため、評価基準が不統一かつ曖昧であることが多いとの指摘がある。学生の学修到達度を適切に評価できず、ひいては、大学が社会の信頼を失いかねないことに加え、学生の不満や不公平感が蓄積されることも懸念される。
 学生の成績評価や卒業認定について、大学及び教員間の格差なく、公平で客観的な評価がされなければならないことは当然のことであるとの認識を踏まえ、以下質問する。

一 大学が、学生の成績の評価や卒業の認定について公平で客観的な評価を行うことは、現在の法制度においてどのように担保されているか。

二 学生が、大学が行った成績の評価や卒業の認定について、公平で客観的な評価がされていないと考えた場合の救済手続は、現在の法制度においてどのように担保されているか。

三 大学における教育の質の向上が社会的に要請される中、成績評価や卒業認定も含めた教育の質保証の在り方について、国の関与と大学の自治とのバランスをどのように考えるか。

  右質問する。