質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

政府認定拉致被害者と拉致の可能性を排除できない行方不明者に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年一月十八日

有田 芳生


       参議院議長 山東 昭子 殿



   政府認定拉致被害者と拉致の可能性を排除できない行方不明者に関する質問主意書

 北朝鮮に拉致された被害者は、政府認定拉致被害者で十七人(そのうち五人は二〇〇二年に帰国)、拉致の可能性を排除できない行方不明者は、警察庁のホームページによれば、八百七十五人(二〇二一年一月十二日現在)です。以下、拉致問題の現状と課題について質問します。

一 政府認定拉致被害者は十七人ですが、警察庁のホームページには「北朝鮮に拉致された被害者は、十九人に上っています」とあります。政府認定拉致被害者より二人多いのは一九七四年六月中旬に福井県小浜市で起きた「姉弟拉致容疑事案」の高敬美さん、高剛さんを指しているのですが、なぜ政府認定拉致被害者に数えないのでしょうか。その合理的な理由を具体的にお示しください。また、お二人の母親である渡辺秀子さん、父親の消息を政府はどう認識していますか。併せてお示しください。

二 政府認定拉致被害者の五人は、二〇〇二年に帰国を果たすことができました。政府は五人から聞き取り調査を行っています。それぞれ何年に何時間の調査を行いましたか。その対象人物、聞き取りの回数、聞き取りを行った機関名をお示しください。なお、聞き取りを行った機関が複数ある場合は、機関名をそれぞれお示しください。

三 北朝鮮が拉致の事実を認めた二〇〇二年九月十七日、「五人生存」の一人に曽我ひとみさんがいました。政府は北朝鮮による公表までに曽我さんが拉致被害者であると認識していましたか。あるいは北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者だと認識していましたか。それとも、北朝鮮による拉致の可能性がない行方不明者という認識だったのでしょうか。二〇〇二年九月十七日時点の見解をお示しください。

四 警察庁は二〇一三年に「特別指導班」を設置して、拉致の可能性を排除できない行方不明者を探してきました。私が第百九十三回国会に提出した「拉致問題に取り組む警察庁「特別指導班」に関する質問主意書」(第百九十三回国会質問第三号)に対する答弁(内閣参質一九三第三号。以下「答弁第三号」とする)では、平成二十五年から二十八年までに十五人を「日本国内で発見し、北朝鮮による拉致の可能性はないと判断した」とあります。答弁第三号以降に日本国内で発見された「拉致の可能性を排除できない行方不明者」は何人ですか。その人数と「特別指導班」が設置されてからの総数をお示しください。

五 北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者は、そのご家族が「北朝鮮によって拉致された可能性がある」と申告すれば、人数に数えられるのですか。それとも「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者」だとする基準があるのですか。基準があるならそれをお示しください。

  右質問する。