質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第二号

朝鮮労働党第八回大会と菅政権に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年一月十八日

有田 芳生


       参議院議長 山東 昭子 殿



   朝鮮労働党第八回大会と菅政権に関する質問主意書

 朝鮮労働党は五年ぶりの党大会である朝鮮労働党第八回大会(以下「第八回大会」とする)を開きました。加藤勝信官房長官(拉致問題担当大臣)は一月七日の記者会見で、北朝鮮の金正恩委員長が経済不振を認めた発言について「重大な関心を持って情報収集し、意図を分析、調査している」と述べました。さらに菅政権が最重要課題に掲げる日本人拉致問題の解決については「あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動していきたい」と強調しています。金委員長は一月七日の大会で「作り出された情勢と移り変わる時代の要求に合わせて対南問題を考察し、対外関係を全面的に拡大して発展させるためのわが党の方向と政治的立場を明らかにした」と語ったことを北朝鮮の国営テレビが伝えました。米朝関係については「誰が権力の座に就いても米国の対(北)朝鮮政策の本心は絶対に変わらない」と主張しました。米朝関係、南北関係に言及があったものの、「対外関係を全面的に拡大して発展させる」と言いながら、そこには日朝関係への具体的な方向性はいっさい触れられていません。そこで政府の見解をお訊ねします。

一 政府は第八回大会を総合的にどう分析、認識していますか。その特徴をお示しください。

二 北朝鮮にとって第一義的な外交課題は米朝関係だと思われますが、政府は非核化という国際的目標について、第八回大会において、どこに注目すべきと認識していますか。また、この非核化について、政府の方針は「朝鮮半島の非核化」ですか、それとも「北朝鮮の非核化」ですか。併せてお示しください。

三 第八回大会では日本について触れられていませんでした。北朝鮮の対外関係における日本の位置付けを、政府はどのように分析しているのでしょうか。これまでより位置付けが低下したのか、それとも変わっていないのか、あるいは判断できないのか。その認識をお示しください。

四 政府は、北朝鮮が日本と交渉する際の窓口を北朝鮮外務省だと判断していますか。それとも朝鮮労働党統一戦線部だと判断していますか。現状での認識をお示しください。

  右質問する。