質問主意書

第204回国会(常会)

質問主意書


質問第一号

バイデン政権の北朝鮮政策と菅政権に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年一月十八日

有田 芳生


       参議院議長 山東 昭子 殿



   バイデン政権の北朝鮮政策と菅政権に関する質問主意書

 米国ではトランプ政権からバイデン政権へと移行します。その北朝鮮政策は日本にとって拉致問題などを解決していく上で十分に注視しなければなりません。民主党の政策綱領(二〇二〇年八月十八日)には「我々は、同盟国とともに、北朝鮮との外交を通じ、北朝鮮の核計画及び地域における好戦的な態度がもたらす脅威を抑制し、封じ込める。我々は、非核化という長期的な目標を進展させるために、持続的で協調的な外交キャンペーンを構築する。そして、我々は、北朝鮮の人々を忘れない。民主党は人道援助を支援し、政権に対し、忌まわしい人権侵害を止めるよう圧力をかける」旨が書かれています。これがバイデン政権の北朝鮮政策の基本になると思われます。つまり、①非核化、②挑発的な政策の抑制、③人道支援、④人権問題の解決、です。ここでいう人権問題は、政治犯収容所の存在が中心かもしれませんが、拉致問題もここに位置付けることができるでしょう。そこで質問します。

一 政府は、バイデン政権とトランプ政権の北朝鮮政策を比較して、どこが共通し、どこが異なると認識していますか。他国の政策とはいえ、外務省を中心に分析を続けてきたのですから、日本との関わりにおいて基本的見解を伺います。

二 政府が米国をはじめとする諸外国に拉致問題解決への協力を求めていく方針に変わりはないと思われますが、問題は実効性です。拉致問題解決を進める上で、諸外国に拉致問題解決への協力を求めることがいかなる具体的成果をもたらしたと総括しているのか。国際世論は高まったと考えるのか。それが解決への外交につながったと考えるのか。政府の認識をお示しください。

三 米国や中国をはじめとする諸外国に協力を求めるにしても、その主体が日本政府であることは明らかです。安倍政権時代に訴えてきた路線では、残念ながら拉致問題において成果は見られませんでした。同じスローガンを繰り返すのは致し方ないにしても、どこに問題があったのか、それをいかに克服するのかが問われています。安倍政権ではなく菅政権ならではの新しいアプローチをお示しください。

四 菅総理は安倍前総理と同じく、北朝鮮の金正恩委員長と条件をつけずに首脳会談を行いたいと何度も表明してきました。この「条件」とは具体的に何を意味しているのですか。条件をつけないという意味は、とにもかくにも、まず対面するということですか。それでも会う以上はテーマが必要です。その基本は「日朝平壌宣言」だと理解していますが、それで間違いないですか。また、安倍前総理と菅総理の呼びかけに対して北朝鮮側から見解を示す公式報道はありましたか。当該公式報道があれば、その報道機関、日時、内容をお示しください。なければ「ない」ことを明示してください。

  右質問する。