質問主意書

第203回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇三第三六号
  令和二年十二月十五日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員小西洋之君提出事態対処法における存立危機事態と武力攻撃発生事態の関係等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出事態対処法における存立危機事態と武力攻撃発生事態の関係等に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 政府としては、従来から、武力攻撃事態等(武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態をいう。)と存立危機事態とは、それぞれ異なる観点から状況を評価するものであり、相互に排他的ではなく、他国に武力攻撃が発生した状況について、それぞれの観点から評価した結果、いずれの事態にも同時に該当することがあり得るものと解してきている。
 その上で、一般に、存立危機事態に該当する事態が発生し、その後、我が国に対する武力攻撃が発生した場合、御指摘の「武力攻撃が発生した事態」にも該当することとなるものと考えられるが、いずれにせよ、いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなるものと考えており、また、特定の事例が我が国に対する武力攻撃に該当するかについては、個別の状況に応じて判断することとなるものと考えている。
 また、我が国が「武力の行使」の三要件に該当する場合の自衛の措置としての「武力の行使」を行う場合に、その国際法上の根拠は、基本的に、我が国に対する武力攻撃を排除するために必要なものについては個別的自衛権の行使となる場合が通常であり、また、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃であって、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるものを排除するために必要なものについては集団的自衛権の行使となる場合が通常であると考えられる ところであるが、いずれにせよ、当該自衛の措置としての「武力の行使」がどのようなものとなるかについては、武力攻撃の規模、態様等に応ずるものであり、一概に述べることは困難である。