質問主意書

第203回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇三第三五号
  令和二年十二月十五日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に関する研究の促進と治療体制の確立に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に関する研究の促進と治療体制の確立に関する質問に対する答弁書

一について

 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(以下「ME/CFS」という。)については、客観的な指標を用いた診断基準や治療法が確立されておらず、いまだ病態も解明されていないことから、お尋ねの「専門的な知識を持って診断できる医師」を特定することはできないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。なお、政府としては、平成二十四年度厚生労働科学研究費補助金による「慢性疲労症候群の実態調査と客観的診断法の検証と普及」等の研究を支援しており、同研究において、「慢性疲労症候群(CFS)診断基準」(平成二十五年三月改訂)が作成されるなど、多くの医師がME/CFSの診断を行うことができるよう努めているところであり、引き続き、ME/CFSに関する知見について、周知を進めてまいりたい。

二について

 ME/CFSについては、いまだその発病の機構が不明であり、また、客観的な指標を用いた診断基準や治療法が確立されていないため、様々な診療科の医師が連携して診療を行うことが適切であると考えていることから、現時点においては、お尋ねの「NCNPに専門外来を開設すること」については検討していない。なお、国立研究開発法人日本医療研究開発機構が実施している障害者対策総合研究開発事業(以下単に「障害者対策総合研究開発事業」という。)において、ME/CFSの診療に関する関係者が連携し円滑に診療を進めるための診療の手引の訳出等の取組が行われており、引き続き、このような取組を支援してまいりたい。

三について

 御指摘の「NCNPにME/CFSの研究センターをつくり、この病気の解明や治療薬開発の研究の促進を図ること」については、現在、障害者対策総合研究開発事業において、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターが主体となり、ME/CFSに関する血液診断法の研究を行っているところであり、引き続き、このような研究を支援してまいりたい。

四について

 ME/CFSの抗体検査については、ME/CFSの客観的な指標を用いた診断基準の確立に有用なものであるかについて、現在、障害者対策総合研究開発事業において、研究を行っているところであり、御指摘の「国内の検査会社がこうした対応能力をつけることができるような体制作り」については、当該研究の結果等を踏まえ、検討してまいりたい。