質問主意書

第203回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇三第三四号
  令和二年十二月十五日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出新型コロナウイルス感染症(COVID―19)と筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の研究に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の研究に関する質問に対する答弁書

一について

 学術論文等において、ウイルスに感染等した後に筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(以下「ME/CFS」という。)を発症したとする事例の報告があることは承知している。

二について

 お尋ねの「海外での研究状況等」については、ME/CFSに関する知見を有する研究者と、御指摘の「NPO団体OMF・・・が開始すると発表した」研究の概要等について情報交換を行っており、当該研究者を通じて感染症とME/CFSの関連性に関する文献等の資料の収集を行っている。

三、四及び七について

 新型コロナウイルス感染症から回復した者の症状については、令和二年度厚生労働行政推進調査事業費補助金による「COVID-十九感染回復後の後遺障害の実態調査」、「新型コロナウイルス感染症(COVID-十九)の長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた基盤研究」及び「新型コロナウイルス感染症による嗅覚、味覚障害の機序と疫学、予後の解明に資する研究」において、その実態把握に関する調査研究を実施しており、その結果を踏まえながら、必要に応じて、適切な対策を講じてまいりたい。

五及び八について

 三、四及び七についてでお答えしたとおり、新型コロナウイルス感染症から回復した者の症状について、実態把握に関する調査研究を行っているところであり、お尋ねの「ME/CFS発症の可能性を調べる実態調査」の実施及び「COVID-19とME/CFSに焦点を当てた研究を行う体制」の構築については、当該調査研究を含む国内外の研究の結果等を踏まえ、検討してまいりたい。

六について

 ME/CFSについては、いまだその発病の機構が不明であり、また、客観的な指標を用いた診断基準や治療法が確立されていないため、様々な診療科の医師が連携して診療を行うことが適切であると考えている。なお、国立研究開発法人日本医療研究開発機構が実施している障害者対策総合研究開発事業において、ME/CFSの診療に関する関係者が連携し円滑に診療を進めるための診療の手引の訳出等の取組が行われており、引き続き、このような取組を支援してまいりたい。