質問主意書

第203回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇三第二七号
  令和二年十二月十五日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員紙智子君提出アイヌ語の話者を育てる支援策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員紙智子君提出アイヌ語の話者を育てる支援策に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 アイヌ語の話者の人数について、政府として把握していないが、北海道が平成二十九年に実施した「北海道アイヌ生活実態調査」によれば、「アイヌ語についてどの程度できますか」との設問に対し、「会話ができる」と答えた者の割合は、当該調査においてアンケート調査の対象となったアイヌの人六百七十一人のうち、〇・七パーセントであったと承知しており、政府としては、「アイヌ施策の総合的かつ効果的な推進を図るための基本的な方針」(令和元年九月六日閣議決定。以下「基本方針」という。)において、アイヌ語を「存続の危機にある」ものと位置付けている。

三について

 お尋ねの「アイヌ語を授業に取り入れている学校数」は政府として把握していない。
 また、お尋ねの「国の支援策」としては、例えば、文化庁において、公益財団法人アイヌ民族文化財団を通じ、小学校、中学校、高等学校等に対し、アイヌ語を含むアイヌ文化や伝統等について理解を深めるためのアドバイザーを派遣する事業を実施している。

四について

 お尋ねについては、基本方針において、政府は存続の危機にあるアイヌ語の復興に向けた取組に今後とも一層努めることとしており、文化庁において、市町村等への支援を通じたアイヌ語の学習に活用可能なアイヌ語アーカイブの作成、公益財団法人アイヌ民族文化財団を通じたアイヌ語の指導者や話者の育成や民族共生象徴空間におけるアイヌ語体験プログラムの実施等に取り組んでおり、引き続き、アイヌ語の話者の育成に取り組んでまいりたい。