質問主意書

第203回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三九号

憲法第十五条と国家公務員の任命行為の有無及びその裁量権の有無に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年十二月四日

小西 洋之


       参議院議長 山東 昭子 殿



   憲法第十五条と国家公務員の任命行為の有無及びその裁量権の有無に関する質問主意書

一 憲法第十五条は「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」と規定しているが、この条文の趣旨について政府の見解を示されたい。その際、「国民固有の権利」との文言の解釈についてどのような意味のものと考えているか示されたい。

二 一般論として、憲法に規定のない国家公務員の選定制度として、政府による任命行為のない制度を法律で設けることは、憲法第十五条に違反し許されないことであると考えているのか、政府の見解を示されたい。

三 一般論として、憲法に規定のない国家公務員の選定制度として、法律によって政府による任命行為を設けた際に、その任命行為の裁量権を全く認めないものとすることは、憲法第十五条に違反し許されないことであると考えているのか、政府の見解を示されたい。

四 近藤内閣法制局長官は、本年十一月五日の参議院予算委員会において「この条文はまさしくその基づいてという方式で、基本的には任命、推薦する側に主体があって、そのとおりにやっていくというのがまさしく政治的介入を防ぐという、今の制度の中における最も自主性を重んじた書き方の用例でございまして、先ほどの拒否をできる場合というのは、やっぱり憲法との関係でどうしてもそこは、任命権の実態を少し持つというところは、それはもう今の法制上どうしてもある話でございまして、そういう意味では、それをなくすものであれば任命制をやめるしかないというふうに思います。」と答弁しているが、この「任命制をやめるしかない」という答弁は何らかの法解釈を述べたものなのか。そうである場合は、その趣旨について説明されたい。

五 前記四について、政府は、憲法に規定のない国家公務員の選定制度として、法律によって政府による任命行為に全く裁量権を認めない制度を設けることは、憲法第十五条との関係で法的に許されないことであると考えているのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。