質問主意書

第203回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

田中実さんと金田龍光さんに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年十月二十六日

有田 芳生


       参議院議長 山東 昭子 殿



   田中実さんと金田龍光さんに関する質問主意書

 政府認定拉致被害者の田中実さん、北朝鮮に拉致された可能性を排除できない金田龍光さんについて質問します。

一 政府は政府認定拉致被害者の田中実さん、北朝鮮に拉致された可能性を排除できない金田龍光さんのおふたりについて、どういう経歴の人物と認識しているかを具体的にお示しください。

二 政府は、田中実さんがなぜ北朝鮮に拉致されたと判断し、また、金田龍光さんがなぜ拉致された可能性を排除できないと判断したのですか。その経緯と判断をそれぞれお示しください。

三 ある特定人物が北朝鮮に拉致されたと判断するには、警察による周到な捜査が基本にあると思量しますが、間違っていませんか。その上で、最終的に拉致されたと認定するのは拉致問題対策本部ですか。それとも拉致問題対策本部の判断に基づいて、内閣が認定するのですか。そのプロセスをお示しください。

四 田中実さんと金田龍光さんについては、共同通信、さらにNHKが、二〇一四年に北朝鮮が生存を伝達してきたと報じています。これは誤報ですか。明確にお答えください。

五 前記四への答弁とは切り離して、なぜ伝達の真偽を六年以上も北朝鮮側に確認しないのか、その理由をお答えください。今後の対応に差し障りがあるという答弁を繰り返すだけでは生存者は放置されたことになります。

六 もし存命なら田中実さん、金田龍光さんは何歳になりますか。政府の認識をお示しください。

七 政府は田中実さん、金田龍光さんの家族、親族がいるかどうかを調査しましたか。調査をしたならばその結果をお示しください。

八 田中実さんの高校時代の同級生は、もし生存しているならば、一時帰国ができるときには羽田空港で歓迎し、かつて暮らした神戸で歓談したいとの意向を示しています。私はその中心者にも話を聞き、あるいは生存伝達が報じられたときには、テレビも含めたメディアでも取材で同様の発言をしておられます。政府はこうした意向や報道を承知していますか。

九 政府は帰国していない十二人の政府認定拉致被害者に序列をつけているのですか。ありていにいえば横田めぐみさんや有本恵子さんたちの生存と帰国のめどが立たないうちは、田中実さん、金田龍光さんの生存確認はしないということですか。拉致問題解決への道筋のなかでの田中実さん、金田龍光さん個人の位置づけについて明確にお答えください。

  右質問する。