質問主意書

第202回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇二第四四号
  令和二年十月二日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員小西洋之君提出核兵器禁止条約に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出核兵器禁止条約に関する質問に対する答弁書

一について

 令和二年九月二十一日時点で、八十四箇国が核兵器禁止条約に署名し、四十五箇国が同条約を批准等している。

二及び三について

 我が国は、核兵器禁止条約が掲げる核兵器廃絶という目標は共有している。一方、同条約は、その交渉に当たりいずれの核兵器国等の参加も得られず、また、現実の国際社会における安全保障の観点を踏まえて作成されたものとはいえないことから、核兵器国のみならず、核の脅威にさらされている非核兵器国からも支持を得られていない。現実の国際社会においては、いまだ核戦力を含む大規模な軍事力が存在しており、そのような厳しい安全保障環境の下で我が国として安全保障に万全を期するためには、核を含む米国の抑止力に依存することが必要である。我が国としては、核兵器のない世界の実現に向けて、核兵器の非人道性と安全保障の二つの観点を考慮しながら、現実的かつ実践的な核軍縮のための措置を着実に積み上げていくことが重要であると考えている。同条約に署名しないのは、同条約の考え方がこうした我が国の立場とは異なるものであるためである。

四について

 我が国及びアメリカ合衆国は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)第五条に基づき、我が国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が発生した場合に、自国の憲法上の規定及び手続に従って、共通の危険に対処するように行動することとなる。
 その上で、日米両国は、平成二十九年二月十日(米国東部時間)に安倍内閣総理大臣(当時)及びトランプ米国大統領が発出した共同声明において、「核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類の米国の軍事力を使った日本の防衛に対する米国のコミットメントは揺るぎない」ことを確認した。

五について

 我が国は核兵器禁止条約に署名する考えはないことから、お尋ねについてお答えすることは差し控えたい。

六について

 お尋ねについては、仮定の質問であり、お答えすることは差し控えたい。