質問主意書

第202回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇二第三三号
  令和二年十月二日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員小西洋之君提出アベノミクス下の労働市場の深刻な歪み等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出アベノミクス下の労働市場の深刻な歪み等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「正規雇用の創出には失敗し、非正規雇用を増やした政策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、労働力調査(詳細集計)によると、「正規の職員・従業員」の数は、平成二十四年から令和元年までの間で約百四十九万人増加しており、「非正規の職員・従業員」の数は、平成二十四年から令和元年までの間で約三百四十九万人増加している。また、お尋ねの「アベノミクスを修正し、雇用の基本は正規雇用であるという考えに立ち戻る」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、働き方改革の推進により、労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現することが重要と考えている。

二について

 政府としては、御指摘の「サービス業や建設業等」も含め、同一労働同一賃金の実現やキャリアアップ助成金の活用促進等を通じて、非正規雇用労働者の処遇改善等を図っており、また、地域別最低賃金については、平成二十五年度から令和二年度までの間で、全国加重平均額で百五十三円の引上げとなっている。

三の前段について

 お尋ねについては、新型コロナウイルス感染症に起因する解雇等見込労働者数とアベノミクスにより増えた雇用との因果関係は必ずしも明らかではないことから、一概にお答えすることは困難である。

三の後段について

 お尋ねの「多くの失業者が出る可能性」については、労働力調査(基本集計)によると、令和二年七月の休業者数は二百二十万人となっているところ、この中には、新型コロナウイルス感染症の影響による休業者のほか、出産や育児、介護や看護等による休業者が一定数存在しており、休業には様々な理由が考えられることから、お答えすることは困難である。

四について

 お尋ねの「労働市場に深刻な歪みをもたらした政策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、安倍内閣の経済財政政策により、平成二十四年から令和元年までの間で、有効求人倍率は〇・八〇倍から一・六〇倍に上昇し、完全失業率は四・三パーセントから二・四パーセントに低下するなど、雇用情勢は、着実に改善が進んだものと認識している。