質問主意書

第202回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇二第二一号
  令和二年十月二日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出新型コロナウイルス感染症と裁判の遅れによる影響に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出新型コロナウイルス感染症と裁判の遅れによる影響に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「遅延」の意味するところが必ずしも明らかではなく、全国の各裁判所における手続の運用の状況について、網羅的には承知していないが、裁判所は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、特に緊急性が高い事件を除き、裁判手続の期日を取り消すなどしていたが、現在は、感染防止対策を講じつつ、事件処理を再開しているものと承知している。

二及び六について

 お尋ねは、いずれも裁判所における今後の事件処理の見通しや運用の在り方に関するものであると考えられることから、政府としてお答えする立場にない。

三について

 政府としては、司法を通じて権利利益が適切に実現されることその他の求められる役割を司法が十全に果たすために公正かつ適正で充実した手続の下で裁判が迅速に行われることが不可欠であると考えている。

四及び五について

 お尋ねの「WEB会議」の意味するところが必ずしも明らかではないが、民事訴訟の分野における裁判手続のIT化について、政府としては、「成長戦略フォローアップ」(令和二年七月十七日閣議決定)において、司法府の自律的な判断を尊重しつつ、オンライン申立て等を実現するため、令和四年中の法改正に取り組むこととしている。また、オンラインによる争点及び証拠の整理手続の運用については、知的財産高等裁判所及び一部の地方裁判所において既に開始されており、その他の裁判所においても、順次運用が開始される予定であると承知している。

七について

 御指摘の「遅延が生じる場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、裁判手続の期日等に関する情報提供については、裁判所において、当事者等に連絡したり、裁判所のホームページに掲載したりするなど適切に対応しているものと承知している。