質問主意書

第202回国会(臨時会)

答弁書


内閣参質二〇二第一九号
  令和二年十月二日
内閣総理大臣 菅 義偉


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員塩村あやか君提出子宮頸がん予防ワクチンに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員塩村あやか君提出子宮頸がん予防ワクチンに関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「「子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ」というリーフレット」における「積極的にはお勧めしていません」とは、予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)第五条第一項の規定によるヒトパピローマウイルス感染症の定期の予防接種(以下「定期接種」という。)について、「ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対応について(勧告)」(平成二十五年六月十四日付け健発〇六一四第一号厚生労働省健康局長通知)を踏まえ、定期接種の対象者のうち、「定期接種実施要領」(平成二十五年三月三十日付け健発〇三三〇第二号厚生労働省健康局長通知別添)第二の七の(四)及び(五)に規定する標準的な接種期間にある者に対して、個別に予診票を郵送する等の方法をとることを一時的に差し控えることを意味するものである。

二について

 御指摘の「リーフレットにある「有効性とリスク」を本人が理解する以前に「知らない」結果」の意味するところが明らかではないため、お尋ねの「見解」についてお答えすることは困難である。
 また、お尋ねのヒトパピローマウイルスワクチン(以下「HPVワクチン」という。)の「リスクも含め、案内を行うべき」という「意見や考え」については、政府として網羅的に把握していないため、それらが「増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのか」とのお尋ねについてお答えすることは困難である。

三について

 御指摘の「十分に」及び「理解している」の意味するところが必ずしも明らかではないが、HPVワクチンの有効性、安全性等に関する情報提供については、厚生労働省においてリーフレット等を作成し、同省のホームページに掲載すること等により周知を行っているところ、 例えば、同省が平成三十年に実施した「HPVワクチンの情報に関する調査」においては、「HPVワクチンの意義・効果」について、「知っている」と回答した者の割合が十六・六パーセント、「少し知っている」と回答した者の割合が二十二・五パーセント、「聞いたことはある」と回答した者の割合が二十六・八パーセント、「知らない、聞いたこともない」と回答した者の割合が三十四・二パーセントとなっており、「HPVワクチン接種後に起こりえる症状」について、「知っている」と回答した者の割合が十・三パーセント、「少し知っている」と回答した者の割合が二十一・二パーセント、「聞いたことはある」と回答した者の割合が二十三・〇パーセント、「知らない、聞いたこともない」と回答した者の割合が四十五・五パーセントとなっており、政府としては、HPVワクチンの有効性、安全性等に関する情報について、一層の周知を図る必要があると考えている。

四及び五について

 お尋ねの「四価ワクチン」及び「九価ワクチン」の意味するところが必ずしも明らかではないが、仮に、「四価ワクチン」が平成二十三年七月一日に医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条第一項の規定による製造販売の承認を受けたガーダシル水性懸濁筋注シリンジ(以下「ガーダシル」という。)を、「九価ワクチン」が令和二年七月二十一日に同項の規定による製造販売の承認を受けたシルガード九水性懸濁筋注シリンジ(以下「シルガード九」という。)を意味するものであるとすれば、お尋ねの「九価ワクチンの有効性と副反応」については、シルガード九についての独立行政法人医薬品医療機器総合機構の審査報告書において、ガーダシルとシルガード九を比較した臨床試験の結果を含めて評価が行われ、「本品目のヒトパピローマウイルス六、十一、十六、十八、三十一、三十三、四十五、五十二及び五十八型の感染に起因する子宮頸癌(扁平上皮細胞癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍及び上皮内腺癌)、外陰上皮内腫瘍、腟上皮内腫瘍並びに尖圭コンジローマの予防に対する有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と判断する。」とされているものと承知している。
 また、お尋ねの「九価ワクチンの接種により回避できると予想される、子宮頸がん死亡者数」については、シルガード九の接種者数等によって変わるものであるため、一概にお答えすることは困難である。