質問主意書

第202回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四一号

スタンド・オフ防衛能力の整備に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年九月十八日

小西 洋之


       参議院議長 山東 昭子 殿



   スタンド・オフ防衛能力の整備に関する質問主意書

 「平成三十一年度以降に係る防衛計画の大綱」(平成三十年十二月十八日国家安全保障会議決定及び閣議決定)(以下「防衛大綱」という。)においては、「島嶼部を含む我が国への侵攻を試みる艦艇や上陸部隊等に対して、脅威圏の外からの対処を行うためのスタンド・オフ火力等の必要な能力を獲得するとともに、軍事技術の進展等に適切に対応できるよう、関連する技術の総合的な研究開発を含め、迅速かつ柔軟に強化する。」と記されている。また、「中期防衛力整備計画(平成三十一年度~平成三十五年度)」(平成三十年十二月十八日国家安全保障会議決定及び閣議決定)においては、「我が国への侵攻を試みる艦艇や上陸部隊等に対して、自衛隊員の安全を確保しつつ、侵攻を効果的に阻止するため、相手方の脅威圏の外から対処可能なスタンド・オフ・ミサイル(JSM、JASSM及びLRASM)の整備を進めるほか、島嶼防衛用高速滑空弾、新たな島嶼防衛用対艦誘導弾及び極超音速誘導弾の研究開発を推進するとともに、軍事技術の進展等に適切に対応できるよう、関連する技術の総合的な研究開発を含め、迅速かつ柔軟に強化する。」と記されている。
 これを踏まえ、スタンド・オフ防衛能力の整備について、以下質問する。

一 これまでの各年度予算における、スタンド・オフ・ミサイル(JSM、JASSM及びLRASM)に関する各事業の内容及び計上額を示されたい。

二 平成三十年一月三十一日の参議院予算委員会において、当時の小野寺防衛大臣は、「・・・スタンドオフミサイルだけで敵基地攻撃能力が発揮できるということではありません。例えば、一般論として申し上げれば、敵基地攻撃能力のためには、移動式の発射台をリアルタイムに把握するとともに、地下に隠蔽されたミサイル基地の正確な位置を把握し、まず防空用のレーダーや対空ミサイルを攻撃し無力化し、相手国の領域における制空権を一時的に確保した上で、移動式ミサイル発射機や堅牢な地下施設となっているミサイル基地を破壊してミサイル発射能力を無力化し、攻撃の効果を把握した上で更なる攻撃を行うといった一連のオペレーションが必要になります。」と答弁しているが、政府として、現在もこの答弁を維持するのか。

三 これまでの各年度予算における、島嶼防衛用高速滑空弾に関する事業の内容及び計上額を示されたい。

四 島嶼防衛用高速滑空弾の研究は、早期装備型(ブロック一)の研究及び性能向上型(ブロック二)の研究から構成されているものと承知しているが、これらの研究に要する期間を示されたい。また、早期装備型(ブロック一)及び性能向上型(ブロック二)の装備化が予定される時期を示されたい。

五 島嶼防衛用高速滑空弾の研究を行う目的を示されたい。

六 島嶼防衛用高速滑空弾は地上発射型での運用を考えているのか。また、地上の目標を攻撃するためのものか。あるいは、艦艇を攻撃する能力も備えることとなるのか。

七 防衛大綱においては、「・・・日米間の基本的な役割分担を踏まえ、日米同盟全体の抑止力の強化のため、ミサイル発射手段等に対する我が国の対応能力の在り方についても引き続き検討の上、必要な措置を講ずる。」と記されているが、島嶼防衛用高速滑空弾を、「ミサイル発射手段等に対する我が国の対応能力」として用いるのか。

  右質問する。