質問主意書

第202回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三七号

今日までのコロナ禍が東京五輪開催に拘り欧米からの入国の全面禁止を遅らせた安倍政権の失策によるものであることに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年九月十八日

小西 洋之


       参議院議長 山東 昭子 殿



   今日までのコロナ禍が東京五輪開催に拘り欧米からの入国の全面禁止を遅らせた安倍政権の失策によるものであることに関する質問主意書

 安倍総理は令和二年六月十一日の参議院予算委員会において「四月二十七日に国立感染症研究所が発表した疫学調査結果によると、二〇二〇年三月末から四月中旬における日本の状況については、初期の中国経由の封じ込めに成功した一方、欧米経由の輸入症例が国内に拡散したものと強く示唆されたとの分析がなされたものと承知をしております。」と答弁している。
 これについて、以下質問する。

一 我が国は三月二十七日になってようやく欧米からの入国を全面禁止しているが、この全面禁止はイタリア国内などで感染拡大が生じていた三月上旬にしておくべきではなかったのか。今日までの日本社会のコロナ禍の国民生活、国民経済の苦しみは、この安倍内閣の欧米からの入国の全面禁止の遅れという空前の失策によるものではないか。

二 安倍政権が欧米からの入国の全面禁止を遅らせたのは、三月二十四日に延期が決定された東京五輪の本年実施に拘ったためであるのではないか。

三 前記一について、茂木外務大臣は令和二年六月十一日の参議院予算委員会において「三月の初め、ヨーロッパでいいますと、イタリアの北部ロンバルディア等々で感染が拡大をしておりました。そして、三月の六日の時点で既に外務省として北部ロンバルディア州、レベル三に引上げを行いまして、さらには、三月十一日にロンバルディア、ベネト、そしてエミリア・ロマーニャ、マルケ、ピエモンテ、この五州について入国制限、これを取っているところであります。さらには、三月二十七日にイタリア、スペイン、ドイツ、フランス、ここからの入国制限を取っております。早かったか遅かったかということでありますけど、例えば、イタリア自身、これが入国制限を決めた、発動したというか、決めたのが三月十六日でありますし、さらに、お隣のフランス、イタリアからの入国制限を行いましたのは四月六日ということでありまして、決してそれだけを見て遅いということではないと考えております。」と答弁しているが、これは三月上旬に欧州からの入国を全面禁止とするべきであったのではないかという問題提起に対して、何の論理的な説明にもなっておらず、安倍政権による三月二十七日になっての欧米からの入国の全面禁止が失策であったことを証しているのではないか。

  右質問する。