質問主意書

第202回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三一号

安倍内閣が令和二年九月十六日まで臨時国会召集をしなかったことが憲法違反であることに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年九月十八日

小西 洋之


       参議院議長 山東 昭子 殿



   安倍内閣が令和二年九月十六日まで臨時国会召集をしなかったことが憲法違反であることに関する質問主意書

 本年七月三十一日付で憲法第五十三条に基づき衆議院議員百三十一名の連名によって、「新型コロナウイルス感染症に対し、国民が一丸となって立ち向かっていくためには、国権の最高機関である国会を召集し、国民の英知を結集させるしかない。加えて、各地で頻発する豪雨災害に対応するためにも、臨時国会の早期召集は不可欠である。」との見解を示し、臨時国会の召集要求がなされた。
 これに関して以下質問する。

一 憲法第五十三条は「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」と定めているが、これは内閣に対してどのような責務を定めたものと理解しているか。当該条文の趣旨も含めて政府の見解を示されたい。

二 安倍内閣は「政府は、当面の諸案件の審議を求めるため、来る九月十六日に、臨時国会を召集することを決定いたしました」と記載する臨時国会召集決定通知書を本年九月十一日に衆議院議長宛に通知しているが、この「当面の諸案件」の具体的な内容について示されたい。

三 前記二について、「当面の諸案件」には新型コロナウイルス感染症への対策や各地で頻発する豪雨災害への対策も含まれるのかについて、政府の見解を示されたい。

四 安倍内閣が臨時国会召集要求から四十七日後の九月十六日に臨時国会を召集したことは憲法第五十三条に違反するのではないか。

五 安倍内閣は、新型コロナウイルス感染症の拡大による国民生活や国民経済の窮状や豪雨災害の被害について目を背け、臨時国会を召集してそこでこれらの政策の落ち度や安倍政権の歪んだ政治姿勢等が追及されるのを避けたいという自らの政治的都合で臨時国会の召集を遅らせたのではないか。

六 この度の臨時国会は会期が九月十八日までとされたが、これは、発足間もない菅内閣が新型コロナウイルス感染症の拡大による国民生活や国民経済の窮状や豪雨災害の被害について目を背け、自らの政権運営の都合を優先するために与党や一部野党と結託して行われたものではないか。

七 この度の安倍内閣による臨時国会召集義務違反は、二〇一五年及び二〇一七年に続いて三度目の暴挙である。安倍政権とは議会制民主主義を崩壊させた政権ではないのか。安倍政権の継承を掲げる菅政権はこうした安倍政権の違憲の暴挙をも継承し、自らも憲法第五十三条違反による議会制民主主義の否定の暴挙を犯すつもりなのか。

  右質問する。