第202回国会(臨時会)
質問第一九号 子宮頸がん予防ワクチンに関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和二年九月十八日 塩村 あやか
参議院議長 山東 昭子 殿 子宮頸がん予防ワクチンに関する質問主意書 厚生労働省ホームページ「ヒトパピローマウイルス感染症(HPVワクチン)」のページに「子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ」というリーフレットがトップページに掲出されている。そこには、現在、日本においては、子宮頸がん予防ワクチン(以下「子宮頸がんワクチン」という。)の接種を積極的には勧めておらず、接種に当たっては、有効性とリスクを理解した上で受けてほしいという旨のリスクが強調されている。 また、日本では七月二十一日に子宮頸がんワクチンのガーダシル九が認可された。ガーダシル九は九価ワクチンであり、これまで四価ワクチンで対応できなかったウイルスに広く対応できるとのことで、注目されている。 日本では子宮頸がんワクチンについては、有効性よりもリスクの印象が先行しており、慎重な対応が求められていることは言うまでもない一方、諸外国と比較しても接種率が極端に低いことからも、失われた機会や命があるという事実もまた見過ごしてはいけない。 以上を踏まえ、子宮頸がんワクチン接種について、以下質問する。 一 リーフレットにある「積極的に推奨していない」という意味は、子宮頸がんワクチンの案内を送付していないという意味か。または、その他の定期接種と同様に案内は行うが、対象者や保護者に理由等の情報を示して積極的に推奨していない旨を通知しているという意味か。 二 前記一について、前者の送付をしていないという意味であれば、リーフレットにある「有効性とリスク」を本人が理解する以前に「知らない」結果、日本の接種率は〇・八%という結果を招いているとも考えられるが、見解を伺う。また、接種を行うか否かを本人や保護者がより積極的に判断できるよう、リスクも含め、案内を行うべきとも考えるが、こうした意見や考えは増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのか示されたい。 三 リーフレットに「接種に当たっては、有効性とリスクを理解した上で受けてください」という旨の記載がある。政府は対象者全員に有効性とリスクを十分に示す施策をどう行っているのか示されたい。また、政府はその施策により、対象者のほぼ全員が「有効性とリスク」を理解していると判断しているか伺う。 四 九価ワクチンは四価ワクチンでは対応できなかったウイルス型に対応できることになる。四価ワクチンと比較し、九価ワクチンの有効性と副反応の認識を示されたい。 五 九価ワクチンの接種により回避できると予想される、子宮頸がん死亡者数を示されたい。 右質問する。 |