質問主意書

第201回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇一第一七六号
  令和二年六月三十日
内閣総理大臣 安倍 晋三


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員小西洋之君提出検察官への勤務延長制度の適用が国家公務員法第八十一条の二の「法律に別段の定めのある場合を除き」の規定に違反する違法無効の暴挙であることに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出検察官への勤務延長制度の適用が国家公務員法第八十一条の二の「法律に別段の定めのある場合を除き」の規定に違反する違法無効の暴挙であることに関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「想定問答集」が「当該審議当時(昭和五十六年当時)の政府の統一見解」であるかについては、当該「想定問答集」全体について精査する必要があり、現時点においてお尋ねについてお答えすることは困難であるが、当該「想定問答集」の「問四十六」及び「問四十七」については、それらに記載されているような理解に基づいて、一般職の国家公務員の定年制度の導入等を内容とする国家公務員法の一部を改正する法律(昭和五十六年法律第七十七号。以下「国家公務員法改正法」という。)の案を立案したものと考えられる。

二から七までについて

 国家公務員法改正法が制定された昭和五十六年当時、検察官については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の定年に関する事務の調整等に関する規定を除き、同法の定年制度が適用されず、検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)の規定は国家公務員法第八十一条の二第一項の「別段の定め」に該当すると理解していたものと認識しているが、今般、検察官も一般職の国家公務員であるから、検察庁法において国家公務員法の定年制度の特例が定められている事項以外は、同項の「別段の定め」に該当せず、検察官にも同法第八十一条の三の規定が適用されると解釈することとしたものである。
 そして、憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、政府による法令の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に法令の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えており、このようなことを前提に検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではないと考えているところ、お尋ねの解釈は、このような考え方に基づいて適正に行われたものである。