質問主意書

第201回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇一第一四四号
  令和二年六月二十三日
内閣総理大臣 安倍 晋三


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員石橋通宏君提出我が国の行政運営における「私的懇談会」等の運営等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石橋通宏君提出我が国の行政運営における「私的懇談会」等の運営等に関する質問に対する答弁書

一の1について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」(以下「専門家会議」という。)は、「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」(平成十一年四月二十七日閣議決定)にいう「懇談会等行政運営上の会合」(以下「懇談会等行政運営上の会合」という。)である。

一の2について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、専門家会議については、出席者が自由かつ率直に議論することができるよう、会議については非公開とし、その議事概要を公開することとしているものである。

一の3について

 専門家会議については、「行政文書の管理に関するガイドライン」(平成二十三年四月一日内閣総理大臣決定。以下「ガイドライン」という。)第三の留意事項の「別表第一の業務に係る文書作成」の項目中の「懇談会等」に該当するものと考えている。

一の4について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、専門家会議は、ガイドライン第三の留意事項の「歴史的緊急事態に対応する会議等における記録の作成の確保」の項目中の「政策の決定又は了解を行わない会議等」(以下「政策の決定又は了解を行わない会議等」という。)に該当するものと考えている。

一の5について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、ガイドラインにおいては、第三の留意事項の「別表第一の業務に係る文書作成」の項目中の「審議会等や懇談会等」については、「開催日時、開催場所、出席者、議題、発言者及び発言内容を記載した議事の記録」を作成することとされ、そのうち、歴史的緊急事態における政策の決定又は了解を行わない会議等に該当するものについては、「活動期間、活動場所、チームの構成員、その時々の活動の進捗状況や確認事項(共有された確認事項、確認事項に対して構成員等が具体的に採った対応等)を記載した文書」等を作成することとされており、「「各行政機関の対応を円滑に行うため、政府全体として情報交換を行う会議等」には審議会等、懇談会等は含まれないと解さないと、基本的計画に整合しない」との御指摘は当たらない。

二の1、2及び4から6までについて

 御指摘の「出入国管理政策懇談会」(以下「政策懇談会」という。)は、出入国在留管理行政について広く各界の有識者から意見を聴取するための懇談会等行政運営上の会合であり、平成二十八年九月に開始した第七次政策懇談会は、平成二十七年九月十五日に法務大臣が定めた第五次出入国管理基本計画において今後検討することとした課題等について、担当職員から出入国在留管理行政の現状等を説明するなどした上で、幅広い視点から有識者の意見を聴取することを目的としている。
 また、御指摘の「収容・送還に関する専門部会」(以下「専門部会」という。)は、第七次政策懇談会の下で令和元年十月以降開催されてきたもので、出入国在留管理行政のうち、収容及び送還に関する問題を解決するために、今後、出入国在留管理庁が採るべき具体的な方策について、担当職員から現状や課題等を説明するなどした上で、専門的知見を有する有識者から意見を聴取することを目的としている。
 政策懇談会及び専門部会の各委員に対しては、委員への就任に際して、それぞれその目的を説明しているところであり、「法務大臣や出入国在留管理庁の方針と異なる意見の表明を妨げるおそれがある」との御指摘及び「出入国在留管理庁に批判的意見を述べることについて抑制的な影響を生じさせるおそれがある」との御指摘は、いずれも当たらないと考えている。

二の3及び7について

 御指摘の「公務員としての公務ではなく、私人としての思想信条の表明、学問成果の発表である」及び「個々の委員の意見聴取にとどまらない懇談会としての意見の策定を予定している」の意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

二の8の(1)及び(3)から(5)までについて

 出入国在留管理庁が令和元年十月一日に公表した資料「送還忌避者の実態について」(以下「十月版資料」という。)については、同年十一月二十八日の参議院厚生労働委員会の質疑において、十月版資料に「被退令仮放免者が関与した社会的耳目を集めた事件」として記載した事例のうち一つが判決結果を踏まえた記載となっていないとの指摘を受けたことを踏まえ、その後速やかに法務省ホームページにおける公開を停止する措置をとり、同年十二月十二日に開催された専門部会第四回会合において、同庁の担当者から各委員に対し、このような経緯等の説明を行ったところである。
 その後、同庁は、十月版資料に記載した統計を更新するなどして新たに作成した資料「送還忌避者の実態について」(以下「三月版資料」という。)を令和二年三月二十七日に同省ホームページにおいて公表した。三月版資料は、送還忌避者に関する実情の把握に資する客観的な統計数値等の記載に重点を置いた内容としており、十月版資料の内容のうち、右に述べた「被退令仮放免者が関与した社会的耳目を集めた事件」として記載した部分並びに十月版資料二ページ及び三ページの御指摘の各記載部分に相当する内容等は、三月版資料には記載していない。
 十月版資料の内容と三月版資料の内容との異同については、更新した統計数値の一部は、同年二月十七日に開催された専門部会第七回会合において、同庁の担当者から各委員に説明を行うなどしたが、その他の異同についての説明は行っていない。
 もとより、専門部会においては、各委員の専門的知見に基づく自由かっ達な議論がされているものと考えている。

二の8の(2)及び(6)について

 御指摘の各グラフにおいて「仮放免中の逮捕事案」として集計した各事案について、逮捕後の刑事手続の状況についてお尋ねのような確認は行っていない。