質問主意書

第201回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇一第一四二号
  令和二年六月十九日
内閣総理大臣 安倍 晋三


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員髙良鉄美君提出在日米軍基地における新型コロナウイルス感染拡大に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員髙良鉄美君提出在日米軍基地における新型コロナウイルス感染拡大に関する質問に対する答弁書

一について

 新型コロナウイルス感染症対策については、公衆衛生上の観点から、平成二十五年の在日米軍と日本国の衛生当局間における情報交換についての日米合同委員会合意に基づき、在日米軍の病院の指揮官と当該病院が所在する地域を管轄する保健所長との間で、感染者の行動履歴の追跡等を含めて必要な情報共有を行い、感染拡大防止のために緊密に連携していくことを確認しており、政府としては、これまでも、米側から適切に情報が共有されてきているものと認識している。

二について

 お尋ねの在日米軍からの通報を受けた後の対応については、個々の事案により異なるものであり、一概にお答えすることは困難であるが、平成二十五年の在日米軍と日本国の衛生当局間における情報交換についての日米合同委員会合意に基づき、当該通報を受けた保健所長等において、必要な対応が行われているものと承知している。
 なお、当該合意においては、特定の在日米軍施設及び区域並びにその周辺にわたる広範な防疫措置が必要となった場合には、当該施設及び区域を担当する在日米軍の病院の指揮官と当該病院が所在する地域を管轄する保健所長とが相互に緊密に協力し、必要な措置をとることを確保することとされている。

三及び四について

 平成八年の人、動物及び植物の検疫に関する日米合同委員会合意においては、当該合意に定める合衆国の船舶又は航空機について、我が国に入国する際には、その到着場所に応じて、日本国の当局又は合衆国軍隊による検疫を受けることとされている。
 その上で、新型コロナウイルス感染症について、合衆国軍隊が検疫を実施する場合には、我が国の方針と整合的な措置をとっているものと承知している。

五について

 お尋ねの「居住確認」の意味するところが必ずしも明らかでないが、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第九条2の規定により、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族(以下「合衆国軍隊の構成員等」という。)は、外国人の登録及び管理に関する日本国の法令の適用から除外されることとされており、合衆国軍隊の構成員等が居住する市町村(特別区を含む。)の長は、当該合衆国軍隊の構成員等に係る住民票を作成していない。

六及び七について

 政府としては、日米地位協定第二十五条1に基づいて設置された日米合同委員会の枠組みの中で、平成十六年から平成二十五年までの各年の三月末時点の在日米軍施設及び区域内並びにこれらの施設及び区域外に居住する合衆国軍隊の構成員等の人数について、米側から情報の提供を受けており、平成十九年から平成二十五年までの各年の三月末時点の合衆国軍隊の構成員等の人数については、日米間で調整の上、合衆国軍隊の活動に支障を及ぼすおそれがあるものを除き、可能な範囲で公表してきたところである。
 一方、平成二十六年以降の各年の三月末時点の合衆国軍隊の構成員等の人数については、米側から、国際社会における合衆国軍隊に対する脅威により、より厳しい考慮が必要であるとして懸念が示され、情報の提供がなされていない。
 その上で、合衆国軍隊の軍属の人数については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定を補足する日本国における合衆国軍隊の軍属に係る扱いについての協力に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(平成二十九年外務省告示第二十九号)及び平成二十九年の合衆国軍隊の軍属に係る扱いについての協力に関する日米合同委員会合意に基づき、米側から、令和元年九月十二日時点の合衆国軍隊の軍属の人数は一万千二百八十人であるとの説明を受けている。