質問主意書

第201回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇一第五〇号
  令和二年三月三日
内閣総理大臣 安倍 晋三


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員音喜多駿君提出ネット・ゲーム依存症対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員音喜多駿君提出ネット・ゲーム依存症対策に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「法令」としては、例えば、青少年保護の観点からなされるインターネット上のフィルタリングについて、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(平成二十年法律第七十九号)及び青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律施行令(平成二十年政令第三百七十八号)が整備されている。

二から五までについて

 お尋ねの条例が制定できる場合については、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第十四条第一項において、普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて、同法第二条第二項の事務に関し条例を制定することができるものと規定されている。
 また、お尋ねの条例の効力については、地方公共団体の条例は、原則として、当該地方公共団体の区域においてその効力を有し、当該区域内であれば、住民であるか否かを問わず効力を及ぼすとともに、当該区域外にある者に対しても、例えば、当該区域内において条例の規定の対象となるものを所有し、又は占有するような場合には、当該地方公共団体の条例の規定が適用されることがあり得るものと解している。

六、八、九及び十二について

 「本条例案」に関するお尋ねについては、地方公共団体の議会が審議する条例案に関するものであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。

七について

 「インターネットを経由して・・・サービスを提供する事業者」に対する「条例の効力」に関するお尋ねについては、個々の地方公共団体の条例に関し、個別具体に判断されるものであり、一概にお答えすることは困難である。

十について

 「児童の権利に関する条約・・・に反しないか」とのお尋ねについては、「地方公共団体が子どものゲーム利用時間を制限すること」の内容等によることから、一般論としてお答えすることは困難である。

十一について

 「ネット・ゲーム依存症対策」の取組に関するお尋ねについては、政府として、オンラインゲームを含むゲーム依存症に関する正しい知識の普及や、相談・支援体制の整備に取り組むとともに、関係省庁やゲームの供給を行っている企業を含む関係団体による協議の場を設け、ゲーム依存症への対策を推進しているところである。

十三及び十四について

 「コンピュータゲームの利用」の「時間的な制限」に関するお尋ねについては、政府として、ゲーム依存症の発症を防ぐためのゲーム時間の制限に係る有効性及び科学的根拠は承知していない。なお、国立病院機構久里浜医療センターが平成三十一年一月から同年三月までの間、十歳から二十九歳までを対象に実施した、「ネット・ゲーム使用と生活習慣についてのアンケート」の結果によれば、「ゲームを止めなければいけない時に、しばしばゲームを止められませんでしたか。」という質問に「はい」と答えた割合は、ゲーム時間が長くなるに従って多くなる傾向にあると承知している。

十五から十七までについて

 「地方公共団体におけるパブリックコメント」に関するお尋ねについては、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第四十六条の規定を踏まえ、各地方公共団体において、それぞれの地域の実情等を踏まえて適切な措置が講じられるべきものと考えており、個々の事案について、政府としてお答えすることは差し控えたい。