質問主意書

第201回国会(常会)

答弁書


内閣参質二〇一第三三号
  令和二年二月十四日
内閣総理大臣 安倍 晋三


       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員牧山ひろえ君提出子どもの貧困施策の地方自治体に関連する事項に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員牧山ひろえ君提出子どもの貧困施策の地方自治体に関連する事項に関する質問に対する答弁書

一について

 地域子供の未来応援交付金(以下「交付金」という。)については、子供の貧困対策に取り組む地方公共団体を支援するため、平成二十八年三月から令和二年一月までの間に、約三百の地方公共団体に対し約八億円を交付してきており、交付に必要な額は十分に確保しているところであるが、交付金が更に積極的に活用されるよう、地方公共団体の取組を促してまいりたい。

二について

 お尋ねについては、交付金を活用する事業の実施に当たって、地方公共団体において、必要な情報が不足していること、部署間の調整に時間を要すること等があると認識しており、内閣府において、地方公共団体における子供の貧困対策の事例の周知、地方公共団体向け説明会の開催、地域の実情に応じた活用のための運用改善等の対策を行っているところである。

三及び四について

 お尋ねについては、「地域子供の未来応援交付金交付要綱」(平成二十八年二月九日内閣総理大臣決定)に基づき、御指摘の「子供の貧困の実態把握や連携体制の整備」のほか、「支援体制の整備計画策定」及び「子供たちと「支援」を結びつける事業」についても、その経費を財政的に支援しており、また、交付金以外に、「子供の貧困対策に関する大綱」(令和元年十一月二十九日閣議決定)を踏まえ、地方公共団体が子供等に対する教育の支援、生活の支援、保護者の就労の支援、経済的支援等の積極的な子供の貧困対策を行えるよう、政府として財政的に支援しているところである。

五について

 御指摘の「子ども医療費助成等少なくとも命に関わる事項」及び「全国単位の平準化を図るべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、子供の医療費については、子供が病気になっても安心して医療を受けることができるよう、公的医療保険制度において通常は三割である医療費の自己負担割合を義務教育就学前の子供については二割としているほか、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第十九条の二の規定に基づく小児慢性特定疾病児童等に係る医療費支給認定保護者に対する小児慢性特定疾病医療費の支給、母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)第二十条の規定に基づく未熟児に対する養育医療の給付等の制度を設けているところである。また、御指摘の「就学援助」の一環として、学校保健安全法(昭和三十三年法律第五十六号)第二十四条の規定により、感染症又は学習に支障を生ずるおそれのある疾病で政令で定めるものの治療のための医療に要する費用について地方公共団体が必要な援助を行っているところである。
 これらの施策に加え、国の財政負担により子供の医療費の一部負担金等を一律に軽減することについては、厳しい財政状況の下、他の子供・子育て関連施策との均衡等を勘案すると、課題が多く慎重な検討が必要と考えている。