質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一九六号

安倍総理の防衛大学校の卒業式での訓示に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年六月十七日

小西 洋之


       参議院議長 山東 昭子 殿



   安倍総理の防衛大学校の卒業式での訓示に関する質問主意書

 安倍晋三首相は本年三月二十二日、防衛大学校の卒業式で、自衛隊最高指揮官として訓示し、情報収集活動のため本年二月二日に、海上自衛隊横須賀基地から中東海域に向かった護衛艦「たかなみ」の出航式の際、会場近くに「憲法違反」のプラカードが掲げられていたと指摘し、憲法改正に直接的には言及しなかったものの、「隊員の子供たちも目にしたかもしれない。どう思うだろうかと思うと言葉もない」と述べている。
 この安倍総理の発言に関し、以下質問する。

一 安倍総理はプラカードの「憲法違反」の意味について、自衛隊の存在が憲法九条に反すると理解したのか、それとも当該自衛隊の中東派遣が憲法九条に反すると理解したのか。安倍総理の認識を示されたい。

二 当該自衛隊の中東派遣については、過去の自衛隊の海外派遣の際の「非戦闘地域」等の自衛隊が他国軍との戦闘に巻き込まれず、かつ、自衛隊が他国軍の武力行使と一体化することがない法律による仕組みが何ら講じられていないが、その憲法九条への適合性についての国会質問に対して安倍総理ら政府は徹底した答弁拒否を講じているが、こうした安倍総理ら政府の姿勢こそ、自衛隊員やその家族の尊厳を重んじない暴挙というべきものでないのか、安倍総理及び政府の見解を示されたい。

三 安倍総理においては、自衛隊員を憲法改正の主張に利用することは自衛隊員とその家族の尊厳を踏まえて控えるべきではないか。安倍総理と政府の見解を示されたい。

  右質問する。