質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一六三号

大規模災害時の自治体の対応力強化に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年六月十七日

牧山 ひろえ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   大規模災害時の自治体の対応力強化に関する質問主意書

 大規模災害時において、非被災自治体から被災自治体への職員派遣等を主とする行政サービスの支援は、非常に貴重な助けとなる。この災害時の応援について、現在「対口支援」方式にて、対応を行っていることは、先の「大規模災害時の自治体職員の派遣の円滑化に関する質問主意書」(第二百一回国会質問第一六二号)にても述べたところである。
 この災害時の自治体間の支援も含め、災害発生時の行政サービス対応について、以下の通り質問する。

一 大規模災害時の自治体職員の応援派遣については、現在、罹災証明書の発行業務等が主たる業務として想定されている。実際、前述した「対口支援」においても、罹災証明書の発行業務が主たる処理事項となっている。
 確かにそれも必要な業務ではあるが、基本的には災害発生からある程度の時間が経過した後に処理することが想定される事項である。災害の現場においては、例えば、被災者のトイレの確保や廃棄物・ゴミの処理等について、罹災間もなくの段階で早々に処理する必要性が生じるのではないかと考えるが、政府の認識を伺う。

二 前記一のトイレ問題や廃棄物問題については、基礎的な対応は被災自治体自らで行う必要があると考える。また、他の自治体が罹災した場合の応援についても、被災者の要望が強いであろうこれらの業務に対応すべき必要性は高いと考えるが、政府の認識如何。

三 前記二のような自他の需要に迅速に対応するためには、清掃や廃棄物処理等の現業業務の遂行について、基礎自治体が特に行政財産(バキューム車、パッカー車、無蓋車等の諸器材等)と、それを操作することが出来る技能職を直営で(正規職員として)、かつ器材と職員の一セットで、ある程度平常時から保持しておくことが必要ではないか。
 そのような体制をとっておくことにより、災害発生直後に対応することも可能となるのではないかと考えるが、政府の見解を伺う。

四 前述したように、災害時の被災者の要望に対応するためには、清掃や廃棄物処理等の業務を処理する能力について、平常時から基礎自治体が直営で保持しておく必要があると考える。頻発する大災害に対応するためにも、このような方向へと政策的な勧奨(誘導)を行うべきである。だが、それぞれの自治体が一朝一夕にそのような能力の保持を実現することが困難であることを考えると、いつ襲来するかわからない災害へ対応できる能力を有する自治体は限られてくる。であるとすると、被災者のトイレの確保や廃棄物・ゴミの処理等について、「対口支援」で対応することは、やや現実的でない。
 このような被災者からの要望が強い災害時の業務を処理する応援についても、総務省やその他の団体が、対応能力を有する自治体に対する応援の働き掛けを積極的に行うべきではないか。
 そのような災害発生後早い時期での緊要性が高い応援業務についての働き掛けの現状はどのようになっているか。また、今後についての方針は如何か。明らかにされたい。

  右質問する。