質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一四五号

地方公共団体に対する計画等の策定の義務付けに関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年六月十一日

吉川 沙織


       参議院議長 山東 昭子 殿



   地方公共団体に対する計画等の策定の義務付けに関する再質問主意書

 私が提出した「地方公共団体に対する計画等の策定の義務付けに関する質問主意書」(第二百一回国会質問第一三一号。以下「前回主意書」という。)に対する答弁書(内閣参質二〇一第一三一号。以下「前回答弁書」という。)を踏まえ、改めて質問する。

一 前回主意書の一の2において、計画等の策定に関する規定を有する法律が増加しており、当該法律における計画等の策定を努力義務とする規定の割合が増加傾向にあるとの地方公共団体の指摘に対する政府の見解を問うたが、前回答弁書の「一について」では明確な答弁がなかった。改めて問うので、政府の見解を明らかにされたい。

二 前回答弁書の「一について」では、計画等の策定を義務付ける規定等の件数等の把握について、今後検討する旨答弁している。当該把握に当たっては、当該規定等を設けた法改正が閣法か議員立法かについても併せて調査するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

三 前回答弁書の「二について」では、「お尋ねの「実態」については網羅的には把握していない。」と答弁しているが、これは、一部については把握している趣旨であると理解される。「実態」を一部であっても把握しているのであれば、前回主意書の二で指摘したように、いわゆる提案募集方式に基づく地方からの提案等を待つまでもなく、政府が把握している一部の「実態」に対して、政府が自ら積極的に法制上及び運用上の対応をとるべきではないか。政府の見解を明らかにされたい。

四 前回主意書の三の1において、地方分権改革推進委員会の第三次勧告にいう「義務付け・枠付けに関する原則」が地方分権改革推進計画に明記されなかった理由を問うたところ、前回答弁書の「三について」では明確な答弁がなかった。改めて問うので、政府の見解を明らかにされたい。

五 前回答弁書の「三について」では、地域主権戦略大綱において第三次勧告の趣旨を踏まえた義務付け・枠付けの見直しをする旨明記していると答弁しているが、前回主意書の三の2で問うているのは、「義務付け・枠付けに関する原則」を閣議決定又は法律上明確にすることを検討したことがあればその内容、検討したことがない場合や検討したことはあるが実現しなかった場合にはその理由である。改めて問うので、政府の見解を明らかにされたい。

六 前回答弁書の「四の3について」では、「義務付け・枠付けに係る国の立法に関する原則」及び「義務付け・枠付けの存置を許容する場合等のメルクマール」に抵触する閣法が国会に提出される場合がありうることが明らかにされた。当該原則及びメルクマールに抵触する閣法を国会に提出することは、当該原則及びメルクマールを定立した趣旨に照らして妥当であるのか、政府の見解を明らかにされたい。

七 前回答弁書の「五について」では、質問は議員立法に関する事項であるとして何も答えていないが、前回主意書の五で問うているのは、「義務付け・枠付けに関する立法の原則」を法律上明確にする必要性に係る政府の見解である。改めて問うので、政府の見解を明らかにされたい。

八 前回答弁書の「六の1について」では、事前情報提供制度における「地方公共団体に対し新たな事務又は負担を義務付けると認められる施策」について、「施策を行うかどうかは地方公共団体の裁量によるが、当該施策を行う場合に事務又は負担の義務付けがあるものも含まれるものと解している」と答弁している。近年、地方公共団体から前回主意書の一及び二の指摘がなされていることを踏まえ、同解釈を各府省に周知する必要があるのではないか。政府の見解を明らかにされたい。

九 前回答弁書の「六の2の前段及び3について」及び「六の2の後段について」では、地方自治法第二百六十三条の三第五項の事前情報提供制度に基づく情報提供について、総務省が各府省に通知を発出し、各大臣が提供時期を判断しているが、情報提供の状況を内閣府又は総務省が常時把握する仕組みとはなっていない旨答弁している。地方分権改革を推進する観点からは、同制度に基づく情報提供の時期、方法及び内容が適切なものとなっているか、地方六団体への照会も含め内閣府又は総務省が定期的に調査し、その結果を公表するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。