質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一四一号

小中学校の学校給食中止に伴う食材納入業者、生産者の支援に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年六月五日

紙 智子


       参議院議長 山東 昭子 殿



   小中学校の学校給食中止に伴う食材納入業者、生産者の支援に関する質問主意書

 安倍晋三首相は、二〇二〇年二月二十七日、新型コロナウイルス感染症対策としての科学的根拠も専門家会議の議論も踏まえずに、全国一律に学校休校を要請しました。突然の小中学校の休校に伴って学校給食が中止になったことで、学校給食に関わる関係者は対応に追われ、年間を通じて計画的に農林水産物を生産している生産者、計画的に食材を納入している事業者は大きな損失を受けました。
 文部科学省は、急きょ、「学校臨時休業対策費補助金」で食材に対する違約金の支払いを支援する仕組みを創設しましたが、支払いをめぐって混乱が生じました。
 四月に入り四月七日に緊急事態宣言が発せられ引き続き学校の休校が続いたことから、学校給食の納入業者、生産者の支援策は「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」で行うことになりましたが、地方公共団体の判断になるので、支援などの実態が明らかになっていません。そこで、以下、質問する。

一 「学校臨時休業対策費補助金交付要綱」では、「学校給食費返還等事業」の目的は、名前の通り「学校給食休止に係る学校給食費を保護者に対して返還等するための経費を支援する」とあります。保護者に給食費を返還することは当然ですが、給食中止に伴って被害を受ける、食材納入業者、生産者への対応を明文化していない。何故、明文化しなかったのか、政府の見解如何。

二 本年三月の学校一斉休校に伴うキャンセル等により発生した損失・逸失について、地方公共団体によって違約金の対応に差があります。また、学校への食材納入業者が、今後の契約を気にするあまり違約金の請求を行わないまま泣き寝入りしたり、納入業者や産地へ身銭を切って補償したという話が出ています。地方公共団体、食材納入業者の対応によって補償に差がでれば問題です。安倍首相の要請に起因した学校給食食材のキャンセルですので、損失分がもれなく支払われるよう実効ある指導を政府の責任で果たしていただきたいが、政府の見解如何。

三 「学校臨時休業対策費補助金」の交付決定額、保護者への給食費返還額、給食食材納入業者、生産者の申請額並びに支払額を明らかにされたい。

四 本年四月に緊急事態宣言が発せられたもとで、学校給食関係事業者への支援については、令和二年度補正予算(二〇二〇年四月三十日成立)の「地方創生臨時交付金」において対応することになっているが、実態は定かでない。政府は地方公共団体に対して、学校給食中止に伴う納入業者、生産者支援をどのように行ったのか。具体的に明らかにされたい。

五 農林水産省において「食べて応援学校給食キャンペーン」特設通販サイトが設置され、本年五月七日に販売を終了しました。現在、分散登校など学校の再開が始まりましたが、学校給食が通常の状態に戻るには時間がかかります。納入業者や生産者等を対象にした中長期的な国内産農産物の販売促進を促す仕組みを明らかにされたい。

六 休校になった本年四月から五月の授業について、夏休み等を短縮するなどして授業日数を確保する動きが出ています。そこで、学校給食の供給日数、年間を通じた事業計画がどのように設定されるのか明らかにされたい。

七 今後、生乳の余乳が発生すれば、「バター、脱脂粉乳」など加工製品の在庫がだぶつくことになります。生乳の需給調整をどのように行うのか。明らかにされたい。

八 二〇一九年の小中学校給食の食材契約金額等を三月から七月まで月別に明らかにされたい。

  右質問する。