質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一三八号

刑法上の犯罪と行政処分上の事実認定に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年六月四日

浜田 聡


       参議院議長 山東 昭子 殿



   刑法上の犯罪と行政処分上の事実認定に関する質問主意書

 前東京高検検事長黒川弘務氏(以下「黒川氏」という。)は、朝日新聞社、産経新聞社の記者らとともに千点百円のレートで賭け麻雀を行った(以下「本件事案」という。)。政府は、本件事案を事実認定し、黒川氏を訓告処分に付した(以下「本件処分」という。)。
 無論、本件事案が賭博罪等の犯罪に当たるかどうかは、最終的には裁判所が判断すべきものであると考えるが、それ以前の段階として、政府が当該事案を犯罪にあたると考えているか否かについては、国民の関心が高くなっている。本件処分の事実認定については、一般職国家公務員たる検事総長以下、一般職国家公務員が関わっているとの政府答弁がある。そこで以下質問する。

一 刑事訴訟法二百三十九条二項の「官吏又は公吏」とは、一般職国家公務員を含むか。また、検事を含むか。

二 本件事案につき、政府職員は黒川氏を刑事訴訟法二百三十九条二項に基づき刑事告発しているか。なお、刑事訴訟法二百三十九条二項が単なる訓示規定ではないことは、東京高裁平成十四年十二月十日判決(判例時報一八一五号九十五頁)等より明らかである。
 なお、本質問主意書については、事案の重大性や国民的関心に鑑み、通常通り転送から七日以内での答弁を求めるが、答弁書の文字がいわゆる青枠の五ミリ以内に収まっていなくてもかまわない。

  右質問する。