質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一三七号

米軍基地従業員等の子供の教育に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年六月四日

福島 みずほ


       参議院議長 山東 昭子 殿



   米軍基地従業員等の子供の教育に関する質問主意書

 在日米軍基地の一つである岩国基地において、基地司令官の指示により、米軍人・軍属と日本人配偶者の間に生まれた子ども(日本とアメリカの二重国籍の場合もある)や、基地従業員及び取引業者の子どもが、日本の学校に登校することを禁止(五月七日から六月八日までの予定)され、一ヶ月以上にもわたり多くの子どもが欠席せざるを得ない状況が続いている。岩国基地においては、米軍人が子どもを学校に通わせた場合は処罰の対象とする一方で、日本人の基地従業員や取引業者についても「子供が通学をやめて十四日経過するまでは基地の中に入ることを許さない」などという対応を行い、子どもたちの教育環境や親の仕事に深刻な影響が出る事態となっている。そこで、このような行為について、以下質問する。

一 これらの行為は、日本国憲法第二十六条の「教育を受ける権利」への侵害に当たるのではないか。政府の見解を明らかにされたい。

二 これらの行為は、「子どもの権利条約」の前文並びに第一条乃至第六条に違反するのではないか。政府の見解を明らかにされたい。

三 これらの行為は、ILO第百五十六号条約(一九八一年の家族的責任を有する労働者条約)第三条第一項「男女労働者の機会及び待遇の実効的な均等を実現するため、各加盟国は、家族的責任を有する者であって職業に従事しているもの又は職業に従事することを希望するものが、差別を受けることなく、また、できる限り職業上の責任と家族的責任との間に抵触が生ずることなく職業に従事する権利を行使することができるようにすることを国の政策の目的とする。」に違反するのではないか。政府の見解を明らかにされたい。

四 これらの行為は、厚労省が定めた「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和二年一月十五日厚生労働省告示第五号)における「職場におけるパワーハラスメント」(職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの)に該当し、同指針に抵触するのではないか。政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。