質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一二二号

東京高等検察庁黒川検事長の勤務延長の安倍総理及び首相官邸の関与に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年五月二十日

小西 洋之


       参議院議長 山東 昭子 殿



   東京高等検察庁黒川検事長の勤務延長の安倍総理及び首相官邸の関与に関する質問主意書

 安倍総理は、本年五月十五日配信の櫻井よしこ氏との対談動画(緊急特番「日本は必ず国難に勝つ!」安倍首相に「検察官定年延長問題」を聞く)において、櫻井よしこ氏の「政府高官に私ちょっといろいろ取材をしまして聞いたらですね、黒川さんの定年延長の問題も、それから全部これは検察つまり法務省の側から持ってきたものを官邸がただ了承しただけだと聞いたのですけど、これはかなり詳しく聞いたのですが、それはそのとおりですか。」との旨の問い掛けに対して、「それはまったくそのとおりですね。まさに、検察庁も含めて法務省がこういう考え方でいきたいという人事案を持ってこられて、それを我々が承認をするということなんです。」との旨を答えている。
 これについて、以下質問する。

一 政府において国家公務員法における勤務延長制度が検察官にも適用できるという解釈を有するに至ったのは本年の何月何日か。

二 法務省から首相官邸に勤務する政府関係者に対して東京高等検察庁黒川検事長(以下「黒川検事長」という。)の勤務延長に関する人事案が最初に報告されたのは本年の何月何日か。当該日の本年一月二十四日との時間的な前後関係も含めて示されたい。

三 黒川検事長を勤務延長することとした閣議決定に至るまでの法務省及び検察庁並びに首相官邸での事務についてどのようなものがあったのか、各事務が行われた日にちも含めて示されたい。

四 安倍総理又は首相官邸に勤務する政府関係者は、法務省または検察庁に勤務する国家公務員に対して、黒川検事長を勤務延長させるべき旨について働き掛けや指示をしたことは一切ないのか、事実関係を示されたい。

五 櫻井よしこ氏の「検察つまり法務省の側から持ってきたものを官邸がただ了承しただけだと聞いたのですけど、これはかなり詳しく聞いたのですが、それはそのとおりですか。」との旨の問い掛けに対する「それはまったくそのとおりですね。」との安倍総理の答えの意味するところは、黒川検事長が勤務延長を行う人事案は法務省及び検察庁が自発的に首相官邸に上げてきたものであり、事前に安倍総理又は首相官邸に勤務する政府関係者は一切関与していないという趣旨なのか。

六 まともな法律的素養を有するはずの検察官出身者が幹部を占める法務省及び検察庁において自らのみの判断によって、「国家公務員法の一部を改正する法律案(定年制度)想定問答集(昭和五十年十月総理府人事局)」において、検察官について「定年、特例定年、勤務の延長及び再任用の制度の適用は除外されることとなる」等と記されている勤務延長制度を黒川検事長に適用することを企図するはずがなく、安倍総理又は首相官邸に勤務する政府関係者より法務省又は検察庁に対して黒川検事長を勤務延長すべきとの指示があったはずであり、安倍総理は当該対談において虚偽を語っているのではないか。

  右質問する。