質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一一八号

文部科学省の「学びの保障」の通知に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和二年五月十九日

ながえ 孝子


       参議院議長 山東 昭子 殿



   文部科学省の「学びの保障」の通知に関する質問主意書

 新型コロナウイルスの影響で、新学年が始まって、ほぼ一か月半、ほとんど学校での授業は出来ておらず、現場からは「どんなに最大限の努力をしても、二〇二〇年度の授業時数の確保(年度内に指導を終える)は難しい。」との声が多く上がっています。
 二〇二〇年五月十五日の文部科学省からの通知「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における「学びの保障」の方向性等について」では、教育課程に関する特例的な対応として、令和三年度または令和四年度までの教育課程を見通して検討を行い、学習指導要領において指導する学年が規定されている内容を含め、次学年または次々学年に移して教育課程を編成すると通知されています。
 これは、教育課程を弾力的に編成する可能性を示したものと理解します。しかし、同日の大臣会見で、萩生田文部科学大臣は、「年度内で必要な指導を終えられるように最大限の努力を行っていただくのが大前提」と強調しています。
 弾力的な対応策が通知されても、原則論を声高に発信すると、現場は委縮し、本来、子どもの学びを一番に考えなければならない問題が、スケジュールありきになる懸念があります。
 保護者の間からは、今回のような緊急事態であれば、指導要領も弾力的に、今年度に限り授業時数削減という特別措置を基本に据えるべきとの意見もあります。
 出来る限り柔軟な対応を望む声に、文部科学省としてどのように対応しますか。

  右質問する。